メンテナンスについて

メンテナンスと一言でいっても、「メンテナンスをしなきゃ」という場面や機会がなければ難しいものです。
弊社では、定期点検という機会で工事担当者や一級建築士が戸別にメンテナンスのアドバイスをしております。お家の立地や四季の気候条件、室内外の湿度の変化、お客様の生活スタイル(水蒸気の発生等)によって、お手入れ方法が異なってきます。弊社スタッフが定期点検(1年目、2年目、5年目、10年目)でお客様のお家を診断し、適切なアドバイスを実施しています。点検現場への立会いで、回数を重ねてみて思うことがあります。

メンテナンスへの行動は、「モノ(部材等)が悪くなってから芽生える」ということ。

新品時はほとんど感じませんが、何かと不都合が出てきた際に「あの時の艶、感触、見栄え等々」と思い出すものです。いつになっても「新築の家の感動」は忘れられません。いつまでも大切なお家を長持ちさせたいですね。

弊社スタッフと一緒に取り組んでみましょう!

  • 壁材
  • 床材
  • 24時間換気システム
  • 建具

壁材には様々な種類がありますが、最近の一般家庭ではビニールクロスが一番普及していると思われます。

ビニールクロスは、一般的に吸湿性や通気性がほとんどないので、シミやホコリには強いですが、手垢や油汚れ(食用油の浮遊)には比較的弱いのが特徴です。
普段は何気なく、部屋の雰囲気(絵で言うと背景ですね)を醸し出している壁紙。
壁紙という製品だけでしたら、あまり問題はないのですが、家の中ではご家族が生活し、生活スタイルや生活習慣との共有による経年変化等にも関係してきます。

隙間

隙間等が発生した場合、下の写真のように市販のコークボンドで処理(充填)します。該当箇所に指等で塗り込み、ローラーでならします。

コーナーの場合も同様に、隙間にコークボンドを充填し、ローラーで押さえつけます。2面(写真では白と竹模様のクロス)を順番に施しています。

剥がれ

壁紙の端が少し剥がれてしまった場合、壁紙専用の接着剤か木工用ボンドで丁寧に貼り ましょう。接着剤がつきにくい時は壁紙の裏にカビやゴミが付着している場合があるので、サンドペーパーなどできれいに取ってから貼りましょう。

少しの汚れ

鉛筆の落書きや手垢、乾いた汚れは消しゴム(専用の消しゴムもあります)で軽く 擦ってみます。その他の汚れは、濡れた雑巾で拭き取り、薄めた中性洗剤を使って汚れを落とす事もできます。

小さな穴

釘穴やフック、画鋲を外した後にできてしまった小さな穴は、市販の補修用のパテを使って簡単に穴を埋める事ができます。壁紙の色に合わせて選んで下さい。

床材には、単層フローリングという天然の無垢材を使用したものと複合フローリングという合板の表面に薄い天然板を貼ったものとに分類されます。複合フローリングは、天然板を薄くスライスした表面材を耐水合板などに貼り合わせたものです。表面材が厚いほど傷がつきにくく、傷の補修も容易ですが、水に弱いので、お手入れは掃除機などで砂やホコリを取り除き、硬く絞った雑巾で拭いた後、乾拭きします。また、表面の保護と汚れ防止の為に、専用のワックスを定期的にかけると良いでしょう。

ワックスの掛け方

年に1度は皮膜をつくるためにワックスを掛けることをお勧めします。「する・しない」では、年月の経過によって大きく差がでてきます。 ワックス、専用モップはホームセンターでお買い求めいただけます。「水性」のものをご使用下さい。

床に掃除機をかけ、おおまかなゴミを取り除きます。
※ ゴミなどが残ったままワックスを掛けると、そのまま乾いてコーティングしてしまいます。
かたく絞った雑巾で拭き、乾かします。
モップの繊維が残らないように、予め、切れ毛を取り除いておいて下さい。
「木目にそって」ワックスを掛けます。
ワックスを乾かします。
※ 季節、時間帯などによって乾燥にかかる時間は変わりますので、余裕をもってワックス掛けをして下さい。

小さな傷等

小さな傷がついた時は市販されている補修用のクレヨンやマニキュアを塗って傷を隠す事ができます。様々な色や種類があるので、床の色によって選んで下さい。

脱衣室

バスマットの下などフローリングを濡らしてしまう場合は、スノコを間に敷きます。スノコによって床との間に空気が通り、ジメジメや床材同士の溝への湿気も解消されます。バスマットの裏側やバスマットを置いている床のカビ防止にもなります。下の写真は、バスマットを置きっ放しで床材の溝が一部変色しています。

単層(無垢)フローリングは天然の無垢材を使用しており、自然素材の温かい質感があり、重厚なイメージです。
水拭きを避け、乾いた布で乾拭きして下さい。無塗装品の場合は汚れ易いので、食物をこぼした場合は多少のシミは避けられません。万一、こぼした場合はすばやく拭き取って下さい。

光が当たった部分と当たらない部分では色が異なってくることがあります。カーテン等を利用してできるだけ直射日光にさらさないようにして下さい。可視光線、紫外線成分を吸収することで木材は変色していきます。

床鳴り等

床等を支えている大引が湿度による伸縮(やせ)等で鋼製束と接続している釘やビスが浮いて隙間が発生する事もあります。床上ではこの箇所周辺にヒトの体重がかかる事で音が鳴る現象です。

下の写真は鋼製束を増し締めしている様子です。

弊社では床下点検を2年目、5年目点検で実施しています。確認項目では、基礎の割れ、配管の状況、水漏れ、ジャッキ(鋼製束)の緩み、固定釘の緩み、断熱材の状態、ゴミ等の検査となります。

家を新築する際に換気計画を考えます。
これは、窓を閉めた状態で24時間換気が機能することを基本としています。
しかしながら、天候の良い晴れた日の窓の開放に優るものではありません。

メンテナンス・・・スタッフ編

天井取り付け型の場合、椅子や脚立を用いて蓋を外す作業から始めます。蓋を全て外す際に本体と蓋との間にある金具の外し方にちょっとしたコツがあります。また、フィルターの掃除方法にはいくつかあります。

※定期点検の際には実演して詳しくお伝えしています。

< 蓋の外し方 >

具体的な手順です。まずは掃除機のヘッドの部分をピンポイントで吸い込める部材(無い場合は外したまま)に取替え。
黒く見える(右下)のは吸着しているホコリが取れて元の黒色が現れている様子。

黒いフィルターの交換前と交換後です。

白いフィルターの交換前と交換後です。

取り出したフィルターです。ちょっと灰色になっていますが、これが空気中のホコリ等(場所によっては小さな虫も引っ掛かっています)が溜まった状態。掃除機で吸い取っています。

< 掃除機で吸い取る / 水洗い(日光で乾燥)/予備と交換 >

メンテナンス・・・お客様編

普段はなかなか手の届かない場所ですが、そんなに難しい作業でもありません。ご夫婦のように定期点検でのスタッフの作業をお手本にして実際に掃除をなさってみられるのも良いのではないでしょうか。「こんなに簡単にできる」ことに気付けますし、「自分の家を自分でメンテナンスする」きっかけになるのではないでしょうか。

ランニングコスト

経済性を考えて、運転を止めていらっしゃる方もおられますが、24時間動かすような仕様 になっています。
全熱交換型の電気代は1台につき、1ヶ月当たり600円程度。お家の仕様によっては2台 から3台設置されており、2箇所に設置の場合は、約1200円となっています。

< 1階 / 2階 >

《 注意点 》
換気音に敏感で耳障りと感じる場合、運転を停止されていることもあります。冬場では、外気と室内温度との差でダクト内に結露が発生し、それが水滴となり室内に落ちてくることもありますので、一年中、運転されることをお勧めします。

室内ドア

室内ドアは日常生活の中で、一番使われる建具だと思われます。
大別すると「引き戸」と「開き戸」、「吊り戸」に分けられます。

引き戸の場合、閉めた際に季節による湿度の関係で隙間が発生することもありますが、ドライバー1本で調整することが可能です。また、開閉に支障が出た場合、溝にゴミが溜まっている場合もあります。

< 調整できる穴 / ドライバーで調整 / ゴミが溜まっていた様子 >

< ラッチ受け / ラッチ受けの調整 >

定期点検の際に、お客様へメンテナンスの方法を説明している様子です。
2箇所あるネジを左右に回す事で、上下・左右に引き戸の車輪の土台が伸び縮み・傾く等の動きをします。調整時のコツでは、調整しながら反対の指で動きを確認するようにします。

調整ネジの拡大写真です。

吊り戸の場合、戸の重さを支える溝が無い為、使用頻度により開け閉めに支障が出る場合もあります。ドライバー1本で調整することが可能です。

< 吊り戸 / 溝がない / 上部のビスを増し締め >

開き戸の場合、季節による湿度の関係や使用状況により、ドア本体が若干伸縮し、開閉に支障が発生する場合もあります。ドライバー1本で調整することが可能です。

< 丁番の調整(左右、奥行き)/ 丁番の調整(上下) >

ドアにガラスが入った仕様の場合、重みや使用頻度等で戸先が下がり、床に擦れてキズが付く事例もあります。

普段の使用状況により、ドアノブが緩む場合もあります。

< ドアノブの調整(1) / ドアノブの調整(2) >

収納(押し入れ)に使われている引き戸(既製品)は内外の湿度差によって伸縮し、開きにくくなる場合もありますが、対応できるネジが付いているので、簡単に調整できます。

玄関ドア

玄関ドアは家の顔といっても過言ではありません。玄関ドアの仕様を大別すると「天然素材」で作られた「木製ドア」と「アルミドア」に分けられます。

玄関ドアの開閉は、お客様によっては開け方はともかく、閉まり具合に違和感を覚えることもあります。
具体的には、バタンと早く閉まる場合と完全に閉まる手前でパッタンとゆっくり閉まる場合に大別されると思います。
使い心地に不具合が感じられたら、ドア上部のクローザーを調整することで速さを変えることが出来ます。
ドライバー1本で調整することが可能です。

< 状態の確認 / クローザーの調整 / 閉まり具合の確認 >

開閉時に若干の異音が発生する場合、金具等の擦れが考えられます。市販の潤滑スプレー(CRC)を吹き付け、金具の接触部分を滑らかにすることで解決できます。

< 潤滑油(CRC) / 吹き付け例 (1) / 吹き付け例 (2) >

玄関の鍵が鍵穴に差し込みにくくなる事例もあります。鍵が水に濡れた状態での差し込みにより、鍵穴内部にサビが発生し、鍵が抜けなくなったりします。そこで、未然に防止する方法として「鉛筆の芯」や「鍵穴パウダー」があります。

< 鉛筆の芯を鍵に擦り付けている様子 >

< 鍵穴パウダーを吹き付けた様子 >

木製玄関ドアは天然素材の仕様であり、外部に面しているものは特に風雨にさらされるなど、次第に色褪せていきます。自然素材は定期的なメンテナンスが必要です。定期的に塗料を塗り、皮膜を作ることにより、対候性が高くなり、ドアを傷めにくくします。

見栄えの面からドア全体は勿論ですが、普段は目に入らないドアの底の部分を特に注意することが大切です。防水が効かなくなると腐れの原因にもなります。塗装の際には油性用の刷毛を使用することをお薦めします。塗料は市販されてはいますが、いくつか種類があるため、購入前に一度弊社までご相談下さい。

< 木製玄関ドア / ドアの底の部分 >