Q 後面に遠目で分かるヒビ割れが数箇所ある。どうしてなのか?
A 現状を確認。この外壁については、設計当時に「一面を一枚の壁に見せたい」というお客様や設計士の趣旨があったと思われます。この面は日差しが当りやすい箇所。
下地材である木部が湿度変化により伸縮することで塗装の下にあるサイディングも動きます。
そして紫外線等による経年変化(劣化)等でジョイント部分のパテが切れて(塗装も切れる)きたものと思われます。
ここで、他のジョイント部分について注視。遠目からは分かりにくいのですが、近くで見ると、今後、ヒビ割れが目立つようになる箇所があると指差し確認。
仮に今回、補修を施しても周囲との調色は自然環境による経年変化(紫外線等による変化や汚れ等)に合わせる事となりますが、職人でさえも色を合わせるのは困難と言われています。
逆に補修跡(新旧施工の差)が目立つ可能性もあるようですね。
補修には費用がかかりますので、お客様はしばらく様子を見るとのお返事でした。
補修方法は、既存のパテ(※2)を外して、カッターで隙間を開けて、新たにパテ処理と調色をしながらのタッチアップ塗装(※3)になります。図を描いて説明しました。
ただし、今回補修しても、このヒビ割れ現象は、部材の耐用年数や自然環境等によるところが大きいので、数年後にも発生することもあります。
お家のメンテナンスって、自然との闘いみたいな感じで難しいですね。
※2 パテとは、ヘラを使って、壁の穴やヒビ割れの箇所を埋めたり(詰めたり)、欠けている部分を平らにします。クロス屋さんや塗装屋さんが「パテ補修」をされますね。傷口に補修すると内部から表面まで硬さが同じになります。
今回の事例は、外壁材同士の継ぎ目を埋めて平らにする事となります。
コーキング(シーリング)とは、ヒビ割れや隙間を埋めて、防水性・気密性を目的とします。
材料にはアクリルやウレタン、シリコン系があり、種類によって施工箇所や用途が違うようです。コーキングでヒビ割れを埋める場合、内部は柔らかく、表面は硬くなりますが、経年変化等で表面が沈み、目地が見えることもあるそうです。
※3 タッチアップ塗装とは、かすれている部分等を刷毛(ハケ)等で塗装することです。