クロスの膨らみを発見。湿度変化等によって木部の伸縮、下地ボードの動き、クロスの追随等で起こり得る現象です。お客様も理解されていました。
[クロスの膨らみ/2階廊下]
クロス保証は2年目点検までの期間になっているので、今回の1年目点検では今後の変化も考えて様子見となりました。
[クロスの隙間/2階居室] [階段踊り場]

水漏れの有無を検査。特に異常はありません。水周りで比較的多いのは蛇口やレバーを完全に閉めてもカランから水滴がポチョンと少し垂れてくる現象です。その後の使用で垂れる量が多くなってきたら交換時期(有償)になります。5年~10年で発生する現象であり、放置しても大きな被害にはならないと思われます。
[洗面脱衣室] [キッチン]
一方、洗面化粧台の水受けボウルやシンクの下にある給水管からの水漏れは早めの対策が必要です。初期症状は配管の周りが少し濡れている程度ですが、知らないまま放置して年月が経過してひどくなってくると床に浸透して周囲の部材に悪影響を及ぼすことで被害金額が大きくなってしまいます。
「特別な対処が必要」と言うよりも起こり得る現象を知って頂くことが早期発見につながり、早めのご連絡がお客様自身の費用を少なくする方法になります。事前に水漏れ等を含む火災保険に入っていれば安心になると思われます。
2016年2月25日(木)お家の点検1年目(高岡市S邸)
所要時間 10:04~11:05 晴れ
スタッフ 砂田、上水、中谷、渡辺
【S邸の紹介/冬の体感温度と間取り、暖房器具】
リビングの吹き抜けはとても開放感があって非常に心地よいのですが、冬場で暖房器具がエアコンだけの場合は暖かい空気がそのまま吹き抜け天井に上がってしまい(2階の冷気・寒気と1階の暖気の対流)リビングがなかなか暖まらない事例もあります。
お客様にお聞きすると「それほど寒くなかった」との感想でした。南側の吹き抜けに大きな窓を設けていることでたくさんの陽射しを取り入れることができて良かったのかもしれません。
[LDK]
階段も吹き抜けになっているのですが、2階から冷気・寒気が下りてくることもあまり感じられない室内の寒暖の循環です。
吹き抜け窓の大きさやエアコンの位置、室内の凸凹も空気の流れに影響すると思われますが、体感温度の差もあります。吹き抜け天井にはクルクル回るシーリングファンがあって、冬は上向きに回転させることで壁つたいに暖気が流れて降りてくるので快適な室温になると思われます。
新居を考えておられる方は間取りも大事ですが、ご家族に寒がりの方がいらっしゃるのでしたら、建築予算と将来の貯蓄等のバランスを考えながら暖房器具の選択や配置等にも気を配ってみるのも良いかと思われます。吹き抜けにはシーリングファン(参考/http://fazoo-blog.com/)を取り付けるのをお勧めします。室内空気を撹拌することで電気代の節約や冷暖房効果をアップさせてくれます。
クロスのよじれを発見。よじれの場合、そのままに放置しておくと元に戻らなくなる(クロスの伸縮・追随による)事例もあるので、早めに対処することをお約束。
[クロスのよじれ/玄関]
クロスの隙間を発見。下地材の動きに追随することで隙間が発生していますが、想定内のクロスの変化になります。クロス保証がありますので、2年目点検まで様子を見ることになりました。
[クロスの隙間/2階居室]
お客様が収納ボックスか何かをぶつけたそうでクロスが破れていました。次回のクロス補修の際に目立たないようにして欲しいとのご要望があったので、出来る範囲で対処することになりました。
[クロスのキズ/2階WIC]
天井クロスの下地が浮き上がって見える現象です。天井下地でパテ処理した部分が膨れて見えるのですが、クロスの厚さや模様等で目立たない事例もあります。構造上、特に異常がある訳ではありません。
[LDK]
間接照明を点けて比較してみると、天井クロスの浮きが目立ってしまう現象が分かります。
お客様に感想をお聞きしました。
[広さが十分でない部屋]
Q 洗濯物を干す場所を別途作れば良かった。
お客様の話では洗面脱衣室の奥から順番に洗面化粧台の方向に向かって洗濯物を干していることで、量が多くなってくると室内が狭く感じてしまうようです。洗面化粧台と洗濯機の配置が逆だったら使い勝手等が良かったとのことです。
[洗面脱衣室]
一方、プラン当時は洗面脱衣室と外のテラスの両方で洗濯物干しを考えていたそうです。物干しのスペースが洗面脱衣室だけの場合は洗濯物を吊るす量に限界があると考えられます。今の時期は洗濯物が乾きにくい天候で室内干しが主だと思いますが、お客様は普段外出されていることが多く、外に干したくないとのことも・・。実際にお家に住んで月日が経過して分かることかもしれません。
[建物前面/南側/テラス]
2016年2月23日(火)お家の点検1年目(富山市M邸)
所要時間 12:58~13:54 曇り
スタッフ 砂田、中谷、渡辺
【M邸の紹介/私たちのお家で1年間生活体験した感想】
お客様に1年間住まわれて感じた感想をお聞きしました。
A 床暖房はとても暖かい。
お客様は「床暖房にして本当に良かった」としみじみと感じておられるご様子。床暖房の施工範囲はLDKのほか洗面脱衣室などにも至っています。階段は吹き抜けになっているのですが、冬の時期特有の冷気・寒気が2階から降りてくるという寒さは感じないとのことです。
[LDK]
[スイッチ・コンセントの位置]
A やっぱりダイニングテーブルの近くにコンセントがあれば良かった。
お客様はテーブルでホットプレートを使う時は壁際カウンターから延長コードで伸ばしているご様子。キッチン側にも電源が欲しいこともあり両方からの使用に対して間仕切りカウンターの壁にコンセントがあれば良かったようです。プラン当時は提案していたのですが、今思うと残念で仕方がありません。
[ダイニング] [間仕切り壁]
A 窓枠などに結露がある
睡眠時の呼吸によって体内の温かい水蒸気が室内に放出、室温の低下等につれて結露化するのは一般的に起こり得る現象となります。
お客様宅では大量の洗濯物を2階の一室で床暖房の暖気・乾燥のチカラを利用して乾かしています。3枚引き違い戸を開けっ放しにすることで1階から2階にあがってくる床暖房の暖気を存分に取り入れることができるので非常に重宝されるのですが、衣類から放出された大量の水蒸気が暖かい空気と一緒に室外に移動して他の部屋(閉めっ放しで室温が低い)で結露化しているとも考えられます。
(参考/飽和水蒸気量の関係・・温度と空気中に含めることができる水蒸気量と結露化など)
[2階物干し場]
現在の結露化している状態。今回はそれほど水滴が見受けられなかったのですが、お客様が結露を気にされているということは結露の量や範囲が今以上とも考えられます。
[2階居室]
床暖房は室内が過乾燥になる傾向にあるのですが、ご家族の健康を考えると、ある程度の室内干しは湿度の適正化に有効となります。結露をある程度抑える方法として「換気扇を回す、除湿機を使う」ことがあげられます。
結露はお家内外の温度差によるところが大きいのですが、室内干しや石油ファンヒーター等によって室内から放出・発生することで起こる事例が点検現場では数多く見受けられます。私たち点検スタッフは様々な点検現場の事例・現象を紹介しながらお客様に知って(気づいて)頂くよう努めています。