床材の変色跡。ご主人に暖房器具についてお聞きしたところ、結露の元となる石油ファンヒーターや室内干しはされておらず、雨水の進入も無いとのことで不思議な現象でした。サッシの上に結露吸収シートが貼ってある状態を見ると、冬の時期に結露が発生していたものと考えられます。
[LDK/南側]
奥様にお聞きすると、結露吸収シートを床材のほうにも貼っておられたそうで、水分を含ませたまま放置されていたことが原因で床材にしみ込んだものと思われます。それ以降は床面には結露吸収シートは貼っておられないご様子。
結露跡を検査。中庭側では特に目立っていませんでした。
[LDK/北側/中庭側]
結露跡があったせいか、小さなカビが発生していました。
[LDK/南側/外壁側]
「2階の結露がスゴイ」とのお話でしたが、水蒸気の発生原因はサンルームでの大量の洗濯物と思われます。除湿機2台をフル回転させておられるご様子。
[2階サンルーム/西側]
「ペアガラスは結露しにくい」ということ。サッシ仕様(価格や機能性)の違いや生活スタイルの違いによって、お家ごと起こり得る現象も異なってきます。「洗濯物が干せる・乾く」は室内に水蒸気が放出されることなので、これを排気・除湿できなかった場合は湿度の低下につれて結露化してきます。
この一連の仕組みを知って頂くことでカビの発生を防ぐ為の「拭き掃除が習慣」になると思われます。
Q クッションフロアが少し膨らんできた。
A 現状を確認。浴室が横にあって、室内にはドラム式の洗濯乾燥機、そして床暖房の暖気で洗濯物を
乾かしておられるご様子。
[洗面脱衣室]
空気清浄機はあるのですが、除湿機が無い状態。換気扇は風呂上り後の約2時間だけ回しておられるご様子。洗濯物が乾くということは衣類にしみ込んでいる水分が水蒸気になって室内に放出されるだけで室内全体を除湿・換気しないと、水蒸気は室内外を漂って結露化しやすくなると思われます。
換気や除湿の必要性を他の点検現場での事例を引用して紹介しました。
[結露]
床暖房は寒い時期には一日中点けっ放しとのことです。サッシ枠にはエコカラットが結露防止用に取り付けられていました。夜になると厚手のカーテンを敷くことで空気の対流がカーテンによって遮られて、サッシ枠の温度が下がることで結露化しやすい環境になる事例を紹介。
[LDK/南側]
運転時に水蒸気が発生しない、室内が非常に暖まる蓄暖(蓄熱式暖房機)。燃料は電気なのでクリーンな暖房ですし、オール電化住宅だと電気代のプランを上手に利用すれば節約にもなります。でも、室内が暖かくなるのと同時に過乾燥にもなるので、ご家族の健康・過ごしやすさを考えて加湿器を点けられるご家庭もあります。
[蓄暖] [加湿器]
サッシのゴム枠部分に発生した結露跡を拭かずに放置されていると、小さなカビが出てくることもあります。夜はプライバシーや断熱を目的として厚手のカーテンが引かれることでサッシとカーテンの間の温度が下がって(室内の空気の対流から遮断される)結露化するものと思われます。
また、結露が発生しやすい冬の時期は毎日の洗濯物を干す・乾かす場所にも困ってしまいます。さてと・・・ドコに干そうか?
外に干せないのだったら、サンルーム・・・それとも、あったかいリビングが良いかも?とアレコレと悩みます。「洗濯物・衣類が干せる」ということは、実は室内に水分が移動しただけ。この水分を除湿(除湿機)や換気(空気の流れを作る/風通しをよくする・扇風機を使う場合も)をしないと結露の原因にもなってきます。でも、洗濯物を何とか乾かさないとイケナイ、明日に着る衣類が必要となった時に苦労します。
さて、5年目点検の話に戻ります。一般的なお客様宅では5年目点検の今でこそ体感・経験され、起こり得る現象や経年変化等を理解されるようになりましたが、それまでは疑問も多かったと思われます。
私たち点検スタッフがいつも考えること。経験される前に起こり得る現象を理解して頂くには・・・どうすれば良いのでしょうか?説明や事例紹介では物足りないこともあります。
結露についてお聞きすると、寝室のサッシ下部の辺りに結露が多く発生しているとのこと。一般的なご家庭でも寝室のサッシには結露が発生しやすい(就寝時の呼吸による水蒸気放出と室温の低下等)のですが、もう少し掘り下げてお聞きすると、今は空気が乾燥している季節なせいか、加湿器を点けておられるご様子でした。
[寝室/東側]
お客様はサッシが複合ガラス(ペアガラス)だと「結露が発生しない」と思われていたので、「結露しないではなく、結露しにくい」ことを他の点検現場の事例(室内環境)を交えて改めて紹介。加湿器を点けると室内の水蒸気量が増加します。室温が下がると換気や除湿をしない場合は湿度が上がって、厚手のカーテンを閉める夜は、サッシとカーテンとの間の気温が特に下がる傾向(室内の対流外)にあるので結露化しやすくなります。
サッシに結露が発生してしまうのは嫌だと思いますが、ご家族の健康を考えると加湿器の使用は仕方の無いことかもしれません。
[寝室/加湿器] [LDK/加湿器]
お客様宅は第3種換気システムになっています。各々の部屋に設置してある排気口(換気扇)は全てONの状態でした。空気の流れが良かったのは通気・換気に気を配っておられることもあると思われます。
[洗面脱衣室] [1階トイレ] [2階トイレ]
暖房器具はエアコンや石油ファンヒーターです。リビングでは特に結露跡は見受けられませんでした。
[リビング/南側]
2階居室の小窓の枠周辺が結露化していました。1階の暖かく湿った空気が2階に移動(空気・温度の対流)し、冷たい部分に当たって結露化したものと思われます。
[2階居室]
エアコンは除湿効果がありますが、加湿器や石油ファンヒーターによって室内に水蒸気を放出させていることで湿度が上昇します。ただし、ご家族のお体の健康を考えると、ある程度の湿度は必要です。
今の季節は洗濯物が非常に乾きにくい時期。暖かなLDKで室内干しされるお客様は大勢いらっしゃいます。乾くことで室内水蒸気量が増加(洗濯済みの濡れている衣類から室内に水蒸気が移動)し、室温の低下とともに結露化します。起こり得る現象をあらかじめ知って頂き、定期的な拭き掃除等で将来的なカビ発生を抑えて頂くよう助言。
Q 今の時期、夏場に比べると物干し場(サンルーム)では洗濯物が乾きにくくなっている。今日は晴れており、テラスで干しているが・・・
[テラス] [物干し場/サンルーム]
LDKは床暖房を点いているので暖かく、天候の悪い日は室内干しをされているご様子。どのご家庭でも冬場の室内干しは一般的な光景だと思われます。サッシ枠を見ると、ゴム枠部分には結露跡の汚れや小さなカビが発生していました。
[LDK]
寝室のサッシ枠にも結露が少し発生していました。これも一般的な現象であり、ご家庭の寝室では冬の間は室温の低下と就寝時の呼吸による室内の水蒸気量の増加によって露点・結露化する事例があります。また、厚手のカーテン内外では室温差がある(室内が暖かくてもカーテンとサッシの間の気温が低い)ことも結露化の一因となっています。
[寝室]