Q 床鳴りがある。
A 現状を確認。LDKの床をキュッキュッと片足で踏み込んでみると床材がきしむ音だったので、床下にある鋼製束を増し締めする必要性は特にありませんでした。湿度変化等による床材の伸縮等によって起こり得る現象であり、構造上は特に問題ないことを説明し、お客様に理解して頂きました。
(下の画像は床下の鋼製束の様子です。キシミ現象とは関係ないですが・・・汗)
結露跡を検査。お客様にお聞きすると、冬場は結露が発生していたとのことでした。
寒い冬場に使われる暖房設備のエアコンや石油ファンヒーター。生活環境等によって器具の選択肢は様々です。石油ファンヒーターは手軽で安価ですが、「灯油が1ℓ燃焼することで約1ℓの水が発生すること(灯油を補充したときの灯油の量が燃焼によってほとんど水に変わること)、室温は他の暖房器具に比べると上がりにくいことで水蒸気が飽和状態・結露になりやすい」等があります。このように室内の燃焼で生じた水蒸気は結露の原因になりやすいのですが、このような事例はあまり知られていないようです。
また、天候が良い日は洗濯物を屋外に干されますが、冬場や梅雨で洗濯物が乾きにくい時期は、一般的に除湿機のあるサンルームや暖かなLDKで干されますし、テレビ等では室内干しに関するアイテムも数多く紹介されています。
[ベランダ/南側] [洗面脱衣室/南側]
「ペアガラスは結露しにくい」ということ。お家の立地環境や積雪の度合い、枠材の仕様(価格)等によっても違うこともあります。「あの家はこうだけど、ウチはどうしてなん?」等々、お友達のお家と比較されることもありますが、お家ごとに起こり得る現象は生活スタイルによっても異なってきます。
洗濯物については「干せる・乾く」ということは室内に水分が放出・移動しただけであり、これを排出・除湿しないと室温の低下につれて結露化するという仕組みを説明、他の点検現場での事例を紹介。
生活スタイルって何?
お家に住まわれるご家族の1日そして1週間、1ヶ月、1年を通じての生活スタイル。点検現場では主に室内での結露の原因となる「水蒸気の発生」を意味しています。就寝時から起床までのご家族が睡眠中(呼吸による水蒸気の放出と室温の低下、サッシとカーテンの間の温度低下)や調理時、暖房器具、洗濯物の乾燥等々、ご家庭毎で異なっているので同じ事例は少ないと思われます。
室外の場合は、その日の天候(晴れや雨)もありますし、梅雨や冬(積雪)等々の自然要因となります。お家に関することは、周辺環境という立地条件、換気という窓開けによる風通し(風の入口と出口を作る)をよくしたり、除湿・加湿という器具・機械を使って自由に変化させること、機能的にはサッシ仕様(アルミ、樹脂、木製)等々、いろんな要因が複合的に絡まっています。
そして、家族構成の変化。今回の定期訪問で発見。カワイイお子様が誕生してご家族が増えました♪
赤ちゃんがおられるご家庭では洗濯物も増えるようです。お子様が大きくなるにつれて学校や課外活動によっても洗濯物の量がかなり違っていると思われます。
お客様宅で起こり得る様々な現象や事例。発生原因がなかなか分からないこともありますが、生活感のない展示場ならまだしもお客様ご家族が住まわれているお家環境。お家のメンテナンスをお客様と一緒にどのように考えていけば良いのか、多岐にわたる点検現場を例にあげながら今後の点検現場に活かしつつ注意喚起もしながら、お客様宅の一軒一軒に対してシッカリと対応していきたいと考え・実践しています。
2014年5月10日(土)お家の点検5年目(富山市K邸)
所要時間 13:24~15:20 晴れ
スタッフ 前根、渡辺
【K邸の紹介】
お気に入りの場所は・・・「中庭」
お客様宅の間取りは四方が壁で囲まれている中庭です。「人目を気にしないでバーベキュウ等を楽しめる」と大好評♪セカンドリビング的な発想かもしれません。
中庭をグルッと囲う間取り。上手に考えられています。プラン当時はお客様と設計士とが練りに練った発想だったそうです。
キッチンもグルッと囲っている配置。奥様も前後左右と効率よく家事をこなせているご様子。
「お客様の声を聞かせてください」のアンケートです。
お客様からの4年ぶりのアンケート(新築後の1年目では住み心地アンケート)では・・・
「快適です」、「今後ともよろしくお願いします」というご感想を頂きました。ありがとうございます。
[雨水枡]
雨水枡の点検を実施。枡内は特に異常はありませんでしたが・・・。
[建物正面/北西側]
何故か・・・全部の雨水枡の蓋が逆さに入っていました。弊社スタッフの不手際かと思ったのですが、前回の2年目点検の記録を見ると実際に開け閉めしたようであり、何かのイタズラ?かもしれません。蓋が逆さになっていても問題ありませんが、少し驚いてしまいました・・・(汗)
[建物右面/南東側]
[建物正面/南西側]
[汚水枡]
点検を実施。白い油脂等が少し溜まっていました。
[建物後面/東側/キッチン等]
お客様にも現状を確認して頂きました。溜まっている白い油脂等は年月の経過とともに次第に堆積して将来的には詰まることもあるので、ホースの水流で定期的に洗浄して頂くようお願いしました。
[建物左面/北側/洗面脱衣室等]
生活排水等はこのように汚水枡を経由しながら排水管を通過して下水道の本管に流れていきます。例えば食器を洗う時に使用する洗剤は油汚れを分解・分離しますが、その洗剤排水が排水管を通る時に電子的・温度的な要因で油を切り離すという「油脂等が溜まる仕組み」を紹介。
シーリング剤の経年変化等の現状を確認。シーリング剤にはゴムのように弾力性があるので、外壁材の動き(湿度変化等による下地材の動きに追随)に伸び縮みしながら隙間が開かないようにしており、雨水の進入を防ぐ役割があります。建物の立地条件等(街中や周囲に何も無いの違い等々)によって太陽の紫外線による劣化現象の進行の違いはありますが、一般的に検査結果によっては10~15年目を目安にシーリングの打ち直し工事をしている事例を紹介。
[建物正面/西側]
劣化・硬化等によるヒビ割れ箇所から雨水が進入しても内部には防水シートが施されているので、直接的な雨漏りの原因にはならないのですが、早めの対処が必要となります。
また、外壁材の表面には防水塗装が施されていますが、塗膜が劣化してくるので将来的な外装工事にも備えて頂くようお願いしました。