サッシの調整の際、北陸新日軽㈱の方がお客様へ「網戸の仕組み」や「メンテナンス方法」を説明。
この窓は網戸が右側に取り付けてある仕様です。
この網戸を「あえて左側へ動かす」事もありますが、その場合、中心部に隙間が生じる為、小さな虫が侵入してくる可能性もあります。開ける側には注意をしてくださいね。
リビング、キッチンには、蓄熱式電気暖房機(蓄暖)や加湿器、IHクッキングヒーター等があります。
蓄暖をつけると空気が乾燥(水蒸気量の増加がなく、気温が上がる)するので健康を気遣って加湿器をつけておられるようですね。
[リビング①]
枠のゴム部分に小さなカビが発生していました。
お家全体が蓄暖で暖かいのですが、寝室でも空気が乾燥するので、加湿器を使っておられるご様子。
就寝後は蓄暖も消しておられ、室内の気温が下がる(湿度が上がる)ことでカーテンが引かれているサッシの枠のゴム部分に結露が発生していると思われます。
[寝室]
そこで、5年目点検での事例では放置したままにしておくと、カビが取りにくくなってしまうこともあります。早めの拭き掃除等をお勧めしました。
冬場は、洗濯物の室内干しをされているご様子。蓄暖をつけると過乾燥になる傾向が強いのですが、洗濯物が干せることで室内の水蒸気量が増加し、湿度が上がります(健康に良いかもしれません・笑)
蓄暖をつけている時間帯は、常に室内が暖まっていることで、湿度が低めに推移します。就寝後、室内温度が低下。お家の気密性が高く、自然換気が難しい為、室内の水蒸気量が一定の場合、気温が下がるにつれて湿度が上がっていきます。そして、朝方の一番気温が低下する時にカーテンとサッシとの間の室温が露点(結露の発生)に近くなっていると思われます。
(参考/2008年12月6日富山市S邸1年目点検、結露)
部屋の片隅には石油ファンヒーターがつけてありました。結露する事を除いては部分的な暖房、手軽さが良いと思われます。
結露跡を調査。結露には様々な事例がありますが、室温があまり暖まらず、室内の水蒸気が多くなる湿度が高い状態の時に発生することが多いようですね。
暖房効率やプライバシー等でカーテン(素材・仕様による)を閉めていることがサッシ枠(仕様による)のゴム部分に結露を発生させていることも。お客様宅では、石油ファンヒーターやガスを使っておられます。
(参考/2008年9月22日砺波市M邸5年目点検、結露)
[リビング]
結露跡には室内のホコリが付着し、汚れることもあります。これは拭き掃除をすれば簡単に汚れは取れますが、汚れたままにしておくと、黒カビが発生し、取りにくくなることもあります。
お客様には、点検現場での起こり得る事例を説明し、定期的な拭き掃除をお願いしました。
(参考/2008年12月6日富山市S邸1年目点検、結露)
(参考/2008年9月22日砺波市M邸5年目点検、カビ)
Q サッシが取り外せることは知っていますか?
A はい。知ってます(笑)
このサッシ(商品名/インテグリティ)は木製で複層(ペア)ガラスの中にアルゴンガス(※2)が封入されている仕様です。断熱性は複合ガラスと比較すると約40%向上(※3)しているようですね。
※2 アルゴンガスは無害の不燃性ガスです。
※3 一般的な複合ガラスは2枚の板ガラスの間に乾燥空気が封入されている仕様ですが、アルゴンガスの場合は空気に比べて熱伝導率が小さく、更に高性能となります。
(参考/飯島電子工業㈱http://www.iijima-e.co.jp/magazine/vol6-seihin.htmより抜粋)
溝のホコリを掃除する時は、掃除機のヘッドの部分を外して吸い取っています。ちょっと掃除しにくいですね(苦笑)
たしかに、奥様がおっしゃられる通りかもしれませんね・・・(汗)
リビング側の窓を外側から見ると、下の方がうっすらと結露していました。外部では原因となる症状が見当たらなかったので内部からも探してみました。
冬場は乾燥するせいか、加湿器を2台使っていることで、室内の水蒸気量が特に増えている状態。
また、ロールカーテンが室内の空気の循環(対流)を遮っていることで、カーテンと窓の間の室温が低下、そして結露が発生していると考えられます。
寒い日、ラーメン屋さんとかに行くと「メガネが曇る」という現象がありますね。これも結露の一つ。
結露の仕組みや事例等は、これまでのいくつかの点検現場で現象を見てきました。
(参考/2008年3月25日入善町U邸1年目点検、結露)
(参考/2008年9月22日砺波市M邸5年目点検、結露)
(参考/2008年10月16日射水市N邸5年目点検、結露)
お店の中の暖かい空気が露点(水蒸気が結露する、気温と湿度の関係)よりも冷たい温度のレンズに触れた時に曇ってしまうことを経験された方も多いと思います。
また、空調(空気の流れや温度調整等)や混雑(人の呼吸や体温の放出等)の具合によって水蒸気量が変化すると露点も変化するので、同じ温度のレンズでも結露したり、結露しなかったりするようですね。
結露は特に冬場に多い現象。暖房器具や調理器具、加湿器の利用や洗濯物の室内干し、人の呼吸等で室内の水蒸気量は徐々に増えていきます。
結露が起こりやすい時間では、家族が起きている時間帯は暖房器具(除湿を除く)をつけているので、一定の水蒸気が空気中にあっても室内が暖かいので湿度が低くなります。
一方、就寝時には暖房器具(タイマーを除く)を消しますね。その後、室温が低下、翌朝に起床して暖房器具をつける時間帯。温度が最も低く、就寝時と比べて水蒸気量が一定ならば湿度が最も高い状態になり、冷たい箇所に結露が発生しやすくなります。
そして空気の流れを遮断するカーテン。暖かさを保持するのには、カーテンが有効ですが、今回の事例にありますが、結露が起こりやすい環境にもなるということですね。
点検現場では「複合(ペア)ガラスなのに結露するのは何故?」ってよく聞かれます。
原因をひも解いていくと、お客様の生活スタイルが一番関係しているようですね。