点検ブログ

  • 【屋根点検】12月12日(金) 定期点検5年目(富山市M邸)

    点検当日は、残念ながら雨でしたので、週間天気予報を見てお客様へスケジュールの調整をお願いし、16日(火)に実施。
    冬場の貴重な晴れ間です。吸い込まれそうな青い空がとっても印象的です☆
    01_M_屋根点検_01

    お客様宅の屋根材はコロニアル仕様です。特に異常はありませんでしたが、釘の増し打ちを実施。
    お客様も長ハシゴに上がられ、屋根の様子や雨樋を注意深く観察されていました。
    01_M_屋根点検_0201_M_屋根点検_03

    屋根材表面の彩色(防水塗装)部分の劣化等が目立ってくれば、塗り直しして防水効果を高めることで素材が長持ちするようですね。目安は10年目(自然環境等にもよる)が良いかと思われます。
    防水処理が劣化してくると屋根材が水分を吸収するようになって、素材の劣化が速く進行します。
    また、北陸は雪国。屋根雪が凍って、表面を傷つける(防水塗膜を剥がす)事例もあるようで、傷口部分からの劣化もあるそうですね。

  • 【結露】12月6日(土) 定期点検1年目(富山市S邸)

    リビング側の窓を外側から見ると、下の方がうっすらと結露していました。外部では原因となる症状が見当たらなかったので内部からも探してみました。
    03_S_結露_0103_S_結露_02

    冬場は乾燥するせいか、加湿器を2台使っていることで、室内の水蒸気量が特に増えている状態。
    また、ロールカーテンが室内の空気の循環(対流)を遮っていることで、カーテンと窓の間の室温が低下、そして結露が発生していると考えられます。
    03_S_結露_03

    寒い日、ラーメン屋さんとかに行くと「メガネが曇る」という現象がありますね。これも結露の一つ。
    結露の仕組みや事例等は、これまでのいくつかの点検現場で現象を見てきました。
    (参考/2008年3月25日入善町U邸1年目点検、結露)
    (参考/2008年9月22日砺波市M邸5年目点検、結露)
    (参考/2008年10月16日射水市N邸5年目点検、結露)

    お店の中の暖かい空気が露点(水蒸気が結露する、気温と湿度の関係)よりも冷たい温度のレンズに触れた時に曇ってしまうことを経験された方も多いと思います。
    また、空調(空気の流れや温度調整等)や混雑(人の呼吸や体温の放出等)の具合によって水蒸気量が変化すると露点も変化するので、同じ温度のレンズでも結露したり、結露しなかったりするようですね。

    結露は特に冬場に多い現象。暖房器具や調理器具、加湿器の利用や洗濯物の室内干し、人の呼吸等で室内の水蒸気量は徐々に増えていきます。
    結露が起こりやすい時間では、家族が起きている時間帯は暖房器具(除湿を除く)をつけているので、一定の水蒸気が空気中にあっても室内が暖かいので湿度が低くなります。
    一方、就寝時には暖房器具(タイマーを除く)を消しますね。その後、室温が低下、翌朝に起床して暖房器具をつける時間帯。温度が最も低く、就寝時と比べて水蒸気量が一定ならば湿度が最も高い状態になり、冷たい箇所に結露が発生しやすくなります。
    そして空気の流れを遮断するカーテン。暖かさを保持するのには、カーテンが有効ですが、今回の事例にありますが、結露が起こりやすい環境にもなるということですね。

    点検現場では「複合(ペア)ガラスなのに結露するのは何故?」ってよく聞かれます。
    原因をひも解いていくと、お客様の生活スタイルが一番関係しているようですね。

  • 【クロス】12月6日(土) 定期点検1年目(富山市S邸)

    リビング天井の照明付近、コーナー部分にクロスの切れや隙間を発見。主な原因として、室内外の湿度変化がありますが、クロスの素材も関連しているそうです。
    05_S_クロス_0105_S_クロス_02

    コーナー部分のクロスは、予め隙間が発生する事を想定して、カッターで切れ目を入れて施工しており、この部分が目立ってきたと考えられます。逆に切れ目を入れてない場合、湿度変化によってクロスが変化した時に、よじれてしまうこともあります。こうなると修復が難しくなってしまう為、予め切れ目を入れています。
    今回は、1年目点検。今後も変化する可能性がある為、2年目点検での状態(※1)を待ってコークボンドで目立たないように補修する事をお約束。
    05_S_クロス_03

    ※1 木材等はだいたい2年で現地の気候(湿度等)になじむと言われているそうです。

    また、厚さが薄いクロスの場合、下地材が浮き上がってしまうことも。そこでクロス選びには室内空間のレイアウトは勿論ですが、住まわれてからの湿度変化も想定したほうが良いかもしれませんね。

  • 【排水について】11月17日(月) 定期点検2年目(富山市M邸)

    下水道は、世間一般では「下水」って言われていますが、詳しくは「下水」と「下水道」に分かれているそうです。
    下水では、汚水や雑排水は「家庭や工場等から排出される排水(農業廃水を除く)」、雨水。
    下水道では、排水施設や処理施設、ポンプ施設等の補完施設となっています。

    家庭等から排出される汚水や雑排水。お風呂やトイレ、台所からの排水が混ざりながら、数箇所(お家の周囲)の汚水枡を通っていきます。
    04_M_排水_0104_M_排水_02

    そして、最後の汚水枡(点検用)へと順番に流れます。混ざる順番は間取り等によって変わってきますが、最終的には下水道管へ到達します。
    04_M_排水_03

    給湯器からの排水は側溝に流れるようになっています。
    04_M_排水_0404_M_排水_05

    雨樋からの雨水も同様に、側溝に流れるようになっています。
    04_M_排水_0604_M_排水_07

    ここでふと疑問。「どうして雨水は下水道管に流してはイケナイの?」って考えてしまいます。
    終末処理場は建てるにあたって、許容する量が予め決められているようですね。雨水量等の予測が難しいものまで下水道に流してしまうと、全てを処理場では対応できず、処理能力の低下や道路のマンホールからも溢れてしまうそうです。だから、雨水は側溝に流すようですね。

  • 【引き戸(襖/ふすま)の開閉】11月17日(月) 定期点検5年目(富山市K邸)

    Q 襖の開閉がしにくくなることもある。
    A 現状を確認。お客様宅の襖は、太鼓張り襖(※4)で、高さの調整ができない仕様となっています。
    05_K_引き戸_0105_K_引き戸_02

    ※4 茶室の襖等に用いられる、縁のない特別な襖です。
    05_K_引き戸_03

    季節によっては、鴨居が下に下がってきて開閉がしにくいことがあると思います。特に冬場は気温が下がることで湿度が高くなり、木材が湿気を吸って膨張している状態。その時は、軽く鴨居を押し上げながら、開閉すると良いそうですね。

    また、襖同士が室内湿度(襖と接する2つの部屋)によって、開閉しにくい現象もあります。
    例えば、和室や座敷とリビングとの間の襖ですね。
    (参考/2008年6月4日富山市婦中町T邸1年目点検、和室の引き戸)

    ほかに弊社の過去の資料を探してみると、こんな2つの事例がありました。
    まずは1つ目の事例です。
    Q 閉まりにくくなった。
    A 現状を確認。
    05_K_引き戸_0405_K_引き戸_05

    リビングと和室の湿度差の影響で反ったものと思われます。
    05_K_引き戸_0605_K_引き戸_07

    元の状態に戻す場合は、現在の湿度の環境(リビングと和室)をひっくり返すことはできませんので、襖を取り外して立て掛けて置くことをお勧めしました。
    05_K_引き戸_0805_K_引き戸_09

    立て掛けておくことで、襖の両面が同じ湿度の環境になり、反りが無くなります。
    (参考/2006年2月13日富山市Y邸2年目点検、過去資料より抜粋)

    2つ目の事例です。
    Q 引き戸の開閉時に異音がする。
    A 現状を確認。シリコンスプレーを溝に吹き付けて、滑りを滑らかにしました。
    05_K_引き戸_1005_K_引き戸_11

    (参考/2006年11月22日富山市婦中町O邸2年目点検、過去資料より抜粋)
    (参考/2008年10月21日射水市M邸1年目点検、リビングドア)

    木製建具は、温度による湿度差(気温と湿気との関係)が一番影響を受けるようですね。
    湿度差で考えると、季節(床下の通気等)や生活スタイルによる湿度変化との関係ですね。
    (参考/2008年6月4日富山市婦中町T邸1年目点検、生活スタイルって一体・・・)
    (参考/2008年9月14日富山市婦中町W邸1年目点検、生活スタイルと室内建具)

    これを防ぐには、内と外の湿度差(環境)を抑えることが良いのですが、室内では快適に過ごしたいですから、真夏は冷房、真冬は暖房(機器は様々)等で、体感気温が最適になるように自然に逆らって調整していますね。それに伴ない室内の湿度(水蒸気量)が変化します。

    以上が「立て掛ける」や「シリコンスプレー」という方法です。
    それでも改善されない場合は、引き戸の戸首をカンナやペーパーで当たる部分を削る方法を取ります。

    また、ネットで探してみると様々な方法があるようですね。
    「反り」防止対策として、シリコンスプレー(潤滑性、防錆性、耐熱性、耐水性あり)を吹き付ける前に「ニス」等を塗布して効果を試してみる方法。でも、DIYではかなり難しそうです。
    05_K_引き戸_12

    簡単な「反り」対策ですが、襖を少し開けて風通しを良くすることで、湿度差を少なくさせる方法もありますね。手間はかかりませんが、開けっ放しがちょっと気になる方は不向きかもしれません(汗)。

  • 【開き戸】11月16日(日) 定期点検5年目(富山市Y邸)

    Q 開く際にドアが床に擦れている。自分でも調整しているが・・・。
    A 現状を確認。中にガラスが入った仕様です。オシャレですが、使用頻度や使い勝手等でドア本体が重みで下がり、床面を傷つけてしまう事もあります。
    06_Y_開き戸_01

    [軸側の床との隙間]       [戸先側の床との隙間]
    06_Y_開き戸_0206_Y_開き戸_03

    [床のキズの様子]
    06_Y_開き戸_0406_Y_開き戸_05

    そこで、3次元丁番のネジをドライバーで回して、ドアの傾きを前後左右、上下で調整。
    「あっ!私、上下にしか調整していなかった(笑)」と奥様はびっくり☆
    [奥行きと横方向の調整]     [上下の調整]
    06_Y_開き戸_0606_Y_開き戸_07

    [調整後の確認]
    06_Y_開き戸_08

    キズは残りましたが、戸先が擦れる現状を改善。
    奥様も一緒に調整方法を見ておられましたので、今後のDIYでの改善方法をドアの仕組みも合わせてお伝えしました。

  • 【換気システムの掃除】11月16日(日) 定期点検2年目(富山市S邸)

    【換気システムの掃除】
    Q 1年目点検以降、換気装置のお掃除をしたことがありますか?
    A ない(苦笑)
    今回は、設計課の舘(一級建築士)が初の実演になりました☆
    事前に用意するアイテムは、「掃除機、濡れ拭き、脚立、予備のフィルター(手持ちにあれば)」で、ドライバー等の特殊な工具はいりません。
    普段のお掃除の延長と考えて頂いたほうが良いと思います。

    まずは、カバーを留めているバネを手探り感覚(よっぽど高い脚立じゃないと見えません)で外します。
    カバーの落下に注意して下さいね!
    05_S_換気システム_0105_S_換気システム_02

    バネで固定されている黒いフィルターを外します。
    05_S_換気システム_0305_S_換気システム_04

    取り出したフィルター。ちょっと灰色になっていますが、これが空気中のホコリ等(場所によっては小さな虫も引っ掛かっています)が溜まった状態。掃除機で吸い取っている様子です。
    05_S_換気システム_0505_S_換気システム_06

    両サイドにある2箇所の大きめのネジを手で回して白いフィルターを外します。
    ちょっと回して下に引っ張ると外れます。
    05_S_換気システム_0705_S_換気システム_08

    取り出した白いフィルターを枠から外して、掃除機でホコリ等を吸い取っています。
    05_S_換気システム_0905_S_換気システム_10

    白いフィルターの装着時の向きに注意。途中で迷われても取り扱い説明書が貼ってあるので安心です。
    05_S_換気システム_1105_S_換気システム_12

    定期的なメンテナンスでは、「予備と交換」、「水洗いして日光で乾燥」、「掃除機で吸い取る」の3つの方法があります。

    満足気な舘。一度、お掃除を体験すると、とっても楽しいようですね(微笑)

  • 【基礎モルタル】11月14日(金) 定期点検2年目(富山市Y邸)

    Q 基礎の下のほうが剥がれているのは何故?
    A 現状を確認。年月の経過によって、外構の土が自重で締め固まって少し沈んでいる状態。土が沈むことで、基礎表面の化粧モルタルが施されていない箇所が見え出して、剥がれているように見えるものと思われます。
    03_Y_基礎モルタル_0103_Y_基礎モルタル_02

    構造的には全く問題は無いのですが、見映えが気になるご様子。砂利等をこの上から敷いて見えないようにする事も出来るとご提案。
    03_Y_基礎モルタル_03

    また、外構廻りに植物を植える場合は、砂利をずらして掘るのではなく、砂利の上に土を敷くことをお勧めしました。

    ※1 造成地や宅地の多くは「盛り土」をしていますが、土は重いので年月の経過とともに自重で締め固まって沈下し、落ち着いた状態になるまでは数年かかるそうです。
    また、人為的に締め固めをする方法を「転圧」と言います。

  • 【小屋裏点検】11月14日(金) 定期点検2年目(富山市Y邸)

    点検を実施。特に異常はありませんでした。画像に白い蛇腹模様のダクトが写っていますね。これが、天井取り付け型24時間換気システムの機械と外壁に取り付けてある給排気口(ベンドキャップ)へとつながっています。
    04_Y_小屋裏点検_0104_Y_小屋裏点検_02

    小屋裏点検の際には、2階の収納(お客様宅ではクローセット内)の天井に取り付けてあるハッチを開けて、脚立と棚(棚に物がある時はずらします)を足場にして上っていきます。
    04_Y_小屋裏点検_03

    点検後は、また元の状態に戻します。
    ちょうど、床に何かが落ちていました。「何だろう?」と、拾って手の平に載せてしげしげと観察すると・・・虫の死骸でした。
    04_Y_小屋裏点検_04

    ひと昔前のお家とは違って、最近の住宅は高気密化が進んだ反面、機械的な空気の入れ替えの必要性が出てきました。お客様宅では、第1種換気システムとなっています。
    (参考/2008年10月21日飛騨市T邸1年目点検、換気システム)
    (参考/2008年9月27日富山市Y邸1年目点検、換気システム)

    虫の侵入経路では、床下の通気を確保する為の基礎パッキン(穴の広さは約2cm)、換気システムの給排気口(機械換気の場合は、ダクト内や換気装置)、換気扇のフード、窓の開け閉め、人(衣服に付着)の出入りの際等々、起こり得る事例は様々なようです。
    04_Y_小屋裏点検_0504_Y_小屋裏点検_06

    空気(風)の通り道が「虫の侵入経路」にもなり得ることもあります。
    防鼠材(ぼうそざい)が入って、ネズミの侵入は防いでくれますが、やっぱり小さな虫の侵入を絶つのは難しいようですね。だからといって、お家を密閉しちゃうと、窒息状態にもなりますので、虫除けアイテムを使うのも良いと思います。
    (参考/2008年8月30日富山市K邸1年目点検、終わりに・・・)

  • 【下足箱の戸当たり】11月14日(金) 定期点検2年目(富山市Y邸)

    開閉して状態を確認。戸当たりクッション(涙目※1)には異常はありませんでした。ちょっと見えづらいかも・・・(汗)
    06_Y_戸当たり_0106_Y_戸当たり_02

    ※1 正式にはクリアーバンパー(通称、涙目)と言って、寸法や数量によって、価格帯は約200円~300円程度。クッションのように衝撃を和らげてくれる代物で、戸当たりや滑り止めの用途に使われます。
    06_Y_戸当たり_0306_Y_戸当たり_04

    素材はポリウレタンで、DIYで取り付ける時は、取り付けする面のホコリやゴミ、油分をキレイに除去しないと剥落したり、凸凹面や強い力が頻繁にかかる位置の場合も剥がれやすくなるようで注意が必要です。