基礎肌を隠す為に基礎本体の表面に施してある薄い化粧モルタル。施工の厚さが薄いせいか温度変化によって小さなヒビ割れが入ることがあります。基礎の強度には特に問題はありません。
[建物左面/北側]
補修方法はヒビ割れ箇所に粒子の細かなモルタルの上塗りとなります。補修しても補修跡が目立つ事例もあるので、お客様との協議の結果、今回は2年目点検まで様子を見ることになりました。
[建物右面/南側]
基礎本体の表面に施してある薄い化粧モルタルで温度変化等によるヒビ割れになります。他の点検現場でもよく見られる現象です。ジッと凝視すれば目立ちますが、遠目からでは特に目立ちません。仮にヒビ割れ箇所に補修用モルタルを上塗りすると、逆に遠目からでも目立ってしまう事例もあります。
[建物右面/南側]
ヒビ割れは他に2ヶ所(南側玄関近く、北側)にありました。
お客様との協議の結果、構造上の問題が無ければ特に気にされないとのことでした。
基礎本体と雑土間との接続部分の表面材(モルタル)のヒビ割れで、重さによって少し沈んだものと思われます。基礎の本体とは一体化していない(縁を切っている)ので、構造上は特に問題ありません。
Q ヒビ割れがある。強度は大丈夫なのか?
A 現状を確認。温度変化による収縮でコンクリートの表面だけがヒビ割れしている現象と思われます。構造上は特に問題ありません。
[玄関アプローチ/西側]
Q この箇所のヒビ割れは強度に影響があるのか?目立たないようにできるのか?
A 現状を確認。お客様は市販されている補修剤を試しに購入してDIYでヒビ割れ箇所に充填してみたそうです。施工時期、範囲、補修材料等の違いによってなのか、埋められた部分が少しずつ剥がれていました。
[北側スペース]
コンクリートは安価で耐久性があって全体としての強度はほとんど問題ありませんが、引っ張り強度が小さい特徴があるので、温度変化により収縮して発生する表面のヒビ割れは起こり得る現象となります。既存のヒビ割れ箇所をVカット(※1)等で削ってポリマーセメントモルタル等を流し込む(充填する)補修方法はあるのですが、ヒビ割れ範囲が補修の目安となる0.5mmに達していませんでした。協議の結果、今回は可とう性(柔軟性のある)のエポキシ樹脂シーリング材を擦り込むこととなりました。
※1 Vカットとはサンダーでヒビ割れ部分をさらに削り広げて、割れの元(表面だけでなく下部まで)から補修材を厚く打ち込む為に削る作業です。割れの元から充填補修することで「割れ癖」を低減・回避することができるようです。