外壁の状態を確認。お客様は前回の2年目点検ではヒビ割れも起こり得る現象として認識されていたのですが、3年が経過した今回の5年目点検では何らかの対処をして欲しいとのご要望がありました。
[建物左面/北側]
以前からのご要望もあってか、点検スタッフは試験的に部分的な補修をして、その後の経過観察をしていました。「5年経過することによる経年変化」や「仮に補修しても補修跡が目立ってくる」等々、どの程度まで調色できるのか等を踏まえながら、暖かくなる春頃に全面的な補修を実施する事をご提案。
ヒビ割れは「コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱い」特徴があります。お家の基礎の場合は鋼材によって引っ張り側を補強しています。
以下の画像は基礎本体ではなく、後から施工された土間コンクリートです。
[建物東側]
ヒビ割れの原因には「収縮」や「温度」、「複雑性(自己収縮、乾燥収縮、温度応力の複合+・・・)と、ネットで調べると、専門的な言葉が数多く見られ、複雑な要素がいっぱいあるようです(汗)
自己収縮・・・セメントの水和反応の進行→体積が減少して収縮
乾燥収縮・・・コンクリート中の水分の蒸発→体積が減少して収縮
ヒビ割れの可能性(発生確率)を下げることは可能なようですが、ゼロにすることは難しいそうです。
お家の南側で土間コンが少しヒビ割れしている状態を発見。ポーチ柱の土台と土間の接続箇所(土台を通す穴が開けられている)から外側に向かって小さなヒビ割れが伸びていました。この現象は温度変化によりコンクリートが圧縮・膨張して表面がヒビ割れしたものと思われます。景観上で気になる箇所ですが、構造上の問題はありません。
お客様との協議の結果、粒子の細かなモルタルを上塗りすると補修跡が目立つこともあり、そのままの状態で良いとのこととなりました。
これは目隠しフェンスを支えているコンクリートの土台。以前、お客様からの指摘があって、小さなヒビ割れ箇所に粒子の細かなモルタルを上塗りした経緯があります。
また、コンクリートの表面にクモの巣のような模様が現れてくることもありますが、今回は特に割れている状態でもないので、起こり得る事例の説明です。