結露跡は特に見受けられませんでした。暖房器具は蓄暖となっています。
[1階LDK]
蓄暖は非常に暖かくエアコンいらずであり大変重宝されているご様子でしたが、室内が過乾燥になるようで室内干しや加湿器を使って湿度を調湿しているそうです。洗濯物が乾きにくい季節では非常に便利で機能的な一面もありますね。
[蓄暖/1階LDK] [蓄暖/2階LDK]
1年目点検ではお客様に住み心地アンケートのご記入をお願いしています。
「蓄暖の上の棚にあるコンセントの数をもっと増やしておけば良かった。」とお客様。
電化製品1個につきコンセントを1個使っていると、おのずとコンセントがいくつあっても足りなくなってしまいます。電源タップで集約する方法があるのですが、タコ足配線のように感じ取られたせいか、機能的には良いが、景観的に良くないとのことでした。
定期点検でのお客様の声。生活スタイルや装備・仕様等、全てのお客様は価値観等が異なっているので共通点を見つけるのは難しいのですが、新居計画を立てておられる方々への参考になれば本望です。
今回の事例で改めて感じたのは「経年変化等によって起こり得る様々な現象・事例を考えながら建築前・中のプランに臨むこと」も必要かもしれません。お家の立地条件(周辺環境等)や施工時期等によって、全ての点検現場で起こっている訳でもないので、総合的に考えるのが良いかと思われます。
どこの住宅メーカーを選んでも新築時は全てにおいてステキであり、おおよその方々が満足されていることと思います。「選んで良かったという本当の感想」は、住まわれる前ではなく、直後でもなく、1シーズン以降を住まれることで「起こり得る劣化や消耗等の経年変化に対する工務店のアフターフォロー」という対応次第で「その工務店の良し悪しが決まる」と言ったほうが妥当かもしれません。
プランという仮想の世界は「空間や生活スタイルのイメージ」だけであって、暮らすという現実の世界で起こり得る「経年変化等」の現象までを伝えることが難しい(弊社の説明義務はあります)と思います。人伝(ひとづて)で聴いたり、上手にネットを活用して良し悪しを見極めるのも大事と考えます。
2013年3月26日(火)お家の点検2年目(富山市婦中町E邸)
所要時間 10:00~11:24 晴れ
スタッフ 横窪、永原、渡辺
【E邸の紹介】
玄関ドアを開けると・・・
「旅館?」という感想が数多くあった2年前のお客様宅の完成見学会。限られた面積で最大限の魅力を発揮させるプランナーのセンスが光ります。一般的な表玄関はドアを開けて1歩程度で靴が脱げる範囲なのですが、このような「間を重んじる」タイプはお客様からの強いコダワリが反映されたものと思われます。
[表玄関] [内玄関を仕切る壁] [内玄関となる引き戸とガラス張り]
玄関ホールから撮影。玄関框を斜めに配することで、デザイン的にステキなのはモチロンですが、靴の置けるスペースを余分に確保できる機能的な意味もあります。この角度が一番良いのでしょうね^^
[表玄関] [内玄関]
広い空間の吹き抜け。オシャレだし、なおかつ太陽光を上手に取り入れている設計です。吹き抜けが大きいと暖房効率が気になりますが、お客様宅ではお部屋全体を足元から順に暖めてくれる床暖房が採用されています。
Q クロスの隙間が目立ってきた。自分でコークボンド補修すれば良いのだが・・・(笑)
現状を確認。室内外の湿度変化等によって下地の木部が伸縮・下地ボードも動いて、次第にクロスの継ぎ目に隙間が発生してきたものと思われます。施工時にはこのような現象を想定してあらかじめ「コーナー部分のクロスは切る施工」になっています。白いコークボンドを充填して隙間が目立たないように補修しました。
現状を確認。この現象も同様で湿度変化による木部の伸縮に関係してきます。構造的な問題は無いのですが、どうしても景観上で気になってしまう(視線がそこに行く)箇所です。コークボンドを充填して開いている部分を目立たないように補修しました。
棚と壁の間に隙間を発見。この棚は天然木であり、湿度変化等によって伸縮したものと思われます。
Q クロスの下地が目立ってきた。
A 吹き抜けが大きく(広く)なると年月の経過とともにクロスの下地跡が目立ってくる事例が数多くあります。湿度変化による下地材(木部)の伸縮等と同時に石膏ボードが動いて、それにビニール製のクロスが追随することによってクロスの表面に様々な変化が現れてきます。
広く・大きく見せる間取りは開放感があって非常に魅力的なのですが、経年変化(湿度変化による下地木部の伸縮等)等によって次第に下地ボードの間が目立ってくるようになりますので、クロス選びや間取りを考える際にはプランナー等の助言が無くても注意が必要になる箇所と思われます。