コーキングを指で押し当てて弾性を検査。現在は特に異常はありません。コーキングの保証期間は5年。建物の向き(紫外線の当たる時間等)や立地環境(遮蔽物の有無)等によって同じ施工であっても経年変化(硬化)の速さは異なってきます。
次のお家の点検は10年目。お客様との問答では、その頃の状態を再検査して今後の具体的な改装計画等を考えたほうが良いという結論になりました。
Q 冬の寒い時期(蓄暖を使う時期)には床鳴りがあったが、今はしていない。
A 床下点検を兼ねて、床鳴りがあったであろう箇所と周辺の鋼製束の増し締めを実施しました。
床鳴りの原因では、蓄暖をつけると室内が過乾燥になる傾向があり、木部に含まれる水分が放出されて木部が収縮(体積が少し小さくなる)する現象が起きます。床材やその下地材が縮むことで鋼製束との間に隙間が発生し、床上から踏み込む力で音が鳴る仕組みとなります。
今の季候は湿度が高い時期。床鳴りがしないのは、下地材が木の調湿作用によって空気中の水分を吸収して膨張(体積が少し大きくなる)することで、隙間が塞がっている状態であると思われます。
床鳴り現象には幾つかの原因がありますが、今回は鋼製束を増し締めすることで改善される事例です。
今回の5年目点検では、コークボンドを使って現象を目立たないようにするメンテナンスの見本を披露することになりました。
砂田が脚立の脚先に養生(キズ防止兼滑り止め)しています。
実際にお客様の前で「現象の原因と対処方法」を説明。
持っているのは、コークボンドやローラー、濡れタオル等々。日頃から点検現場で使い込まれている形跡は道具を見れば一目瞭然☆
平面図を見ながら、点検表に本日の検査結果を書いているシーン。お客様は点検スタッフの検査報告を聞いて確認、そして署名をされます。
最後に「住まいの管理手帳」をプレゼントしています。ページをサラサラとめくりながら、今回の点検にあった事例や対処方法、そして今後の起こり得る現象等を指差し確認。
これからの、長く・快適な住まいを実現・目指すには、お家の部材等の経年変化をあらかじめ知っておいて、メンテナンスにも心配りをすることが必要になってきます。
お家のメンテをDIYで・・・と考えると、「釘と板を持って・・・」と日用大工的なちょっと古めかしい想像をしちゃいますが、本当はもっと気楽にできる作業かもしれませんね♪