トイレの床は防水性のあるクッションフロアです。便器には防湿シートが施されていました。
トイレの結露。湿度が高い梅雨や冬場の温度差がある時期に結露の発生が多くみられます。
便器(衛生陶器)は常に冷たい状態なので、湿度が高いと便器に発生した結露水が底部の丸みの箇所に溜まる傾向があります。汚れやカビの原因にもなるので、このような処置が施されていれば、ある程度は防げると思われます。お掃除を楽にしてくれるアイテムですね☆
お部屋を暖める時に水蒸気が発生しない蓄熱式電気暖房機(蓄暖)。そして調理時にも燃焼(※1)という水分(水蒸気)が発生しない(電気を使う)IHクッキングヒーター。
※1 ガスが酸素と結びついて完全燃焼すると、二酸化炭素と水、熱量が発生します。
でも、どうして結露が発生するの?という質問は多くの点検現場で聞かれます。
結露が発生しやすい季節は冬が多いのですが、室内の場所(リビング、寝室、トイレ)によっては梅雨の時期にも発生します。今回はリビングダイニングでの事例です。
蓄暖の温風には水蒸気が含まれていない為、室内気温が上がると同時に湿度が下がり、過乾燥の状態になりやすく、湿度が20%という例も珍しくはないようです。そこで、ご家族の健康を考えて加湿器を使ったり、冬場は洗濯物が乾きにくい季候なので、洗濯物を干したりします。
室内の気温と湿度(水蒸気量)との関係。
お客様の感覚では、夜更けから朝方にかけて結露が発生している様子。
気温は暖房を消す就寝時から下がり始め、朝方の寒い時間(暖房をつける頃)が一番低くなっています。
また、石油ファンヒーター(1ℓの灯油の燃焼で約1ℓの水分が発生)も手軽さからつけたりしますので、換気や除湿をしない限り、室内の水蒸気は徐々に増加します。
室内が高温のままだと、水蒸気量が増えても(湿度が上がっても)結露はほとんどしませんが、気温が下がると露点(※2)に達して、気温が一番低くなっているサッシ枠等に結露が発生する仕組みです。
※2 露点とは水蒸気を含む空気を冷却した時に凝結(気体から液体へと変化)が始まる温度。
お客様宅のトイレは木製フロアです。梅雨頃から夏場には便器に結露が発生しやすく、結露で発生した水滴が便器底部に溜まって、床と便器の間が黒ずむ事例があります。
一般的には防水性の優れたクッションフロアが約9割を占めていますが、こうして点検現場で拝見すると「やっぱり木の質感はいつまでも経っても良い」ですね。定期的に耐水性のワックスをかけて頂くようお願いしました。
奥様は「知人の家で黒ずむ様子を見た事がある」とおっしゃられ、対策方法を聞いて安心されたのか、ニッコリ微笑んでおられました。
(参考/2008年3月26日富山市婦中町Y邸2年目点検、メンテナンス)
(参考/2009年2月18日富山市K邸5年目点検、トイレの床材)
リビング、キッチンには、蓄熱式電気暖房機(蓄暖)や加湿器、IHクッキングヒーター等があります。
蓄暖をつけると空気が乾燥(水蒸気量の増加がなく、気温が上がる)するので健康を気遣って加湿器をつけておられるようですね。
[リビング①]
枠のゴム部分に小さなカビが発生していました。
お家全体が蓄暖で暖かいのですが、寝室でも空気が乾燥するので、加湿器を使っておられるご様子。
就寝後は蓄暖も消しておられ、室内の気温が下がる(湿度が上がる)ことでカーテンが引かれているサッシの枠のゴム部分に結露が発生していると思われます。
[寝室]
そこで、5年目点検での事例では放置したままにしておくと、カビが取りにくくなってしまうこともあります。早めの拭き掃除等をお勧めしました。
冬場は、洗濯物の室内干しをされているご様子。蓄暖をつけると過乾燥になる傾向が強いのですが、洗濯物が干せることで室内の水蒸気量が増加し、湿度が上がります(健康に良いかもしれません・笑)
蓄暖をつけている時間帯は、常に室内が暖まっていることで、湿度が低めに推移します。就寝後、室内温度が低下。お家の気密性が高く、自然換気が難しい為、室内の水蒸気量が一定の場合、気温が下がるにつれて湿度が上がっていきます。そして、朝方の一番気温が低下する時にカーテンとサッシとの間の室温が露点(結露の発生)に近くなっていると思われます。
(参考/2008年12月6日富山市S邸1年目点検、結露)
部屋の片隅には石油ファンヒーターがつけてありました。結露する事を除いては部分的な暖房、手軽さが良いと思われます。