点検ブログ

  • 【結露】12月6日(土) 定期点検1年目(富山市S邸)

    リビング側の窓を外側から見ると、下の方がうっすらと結露していました。外部では原因となる症状が見当たらなかったので内部からも探してみました。
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    冬場は乾燥するせいか、加湿器を2台使っていることで、室内の水蒸気量が特に増えている状態。
    また、ロールカーテンが室内の空気の循環(対流)を遮っていることで、カーテンと窓の間の室温が低下、そして結露が発生していると考えられます。
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    寒い日、ラーメン屋さんとかに行くと「メガネが曇る」という現象がありますね。これも結露の一つ。
    結露の仕組みや事例等は、これまでのいくつかの点検現場で現象を見てきました。
    (参考/2008年3月25日入善町U邸1年目点検、結露)
    (参考/2008年9月22日砺波市M邸5年目点検、結露)
    (参考/2008年10月16日射水市N邸5年目点検、結露)

    お店の中の暖かい空気が露点(水蒸気が結露する、気温と湿度の関係)よりも冷たい温度のレンズに触れた時に曇ってしまうことを経験された方も多いと思います。
    また、空調(空気の流れや温度調整等)や混雑(人の呼吸や体温の放出等)の具合によって水蒸気量が変化すると露点も変化するので、同じ温度のレンズでも結露したり、結露しなかったりするようですね。

    結露は特に冬場に多い現象。暖房器具や調理器具、加湿器の利用や洗濯物の室内干し、人の呼吸等で室内の水蒸気量は徐々に増えていきます。
    結露が起こりやすい時間では、家族が起きている時間帯は暖房器具(除湿を除く)をつけているので、一定の水蒸気が空気中にあっても室内が暖かいので湿度が低くなります。
    一方、就寝時には暖房器具(タイマーを除く)を消しますね。その後、室温が低下、翌朝に起床して暖房器具をつける時間帯。温度が最も低く、就寝時と比べて水蒸気量が一定ならば湿度が最も高い状態になり、冷たい箇所に結露が発生しやすくなります。
    そして空気の流れを遮断するカーテン。暖かさを保持するのには、カーテンが有効ですが、今回の事例にありますが、結露が起こりやすい環境にもなるということですね。

    点検現場では「複合(ペア)ガラスなのに結露するのは何故?」ってよく聞かれます。
    原因をひも解いていくと、お客様の生活スタイルが一番関係しているようですね。

  • 【床鳴り】12月6日(土) 定期点検1年目(富山市S邸)

    Q 蓄熱式電気暖房機の前で床鳴りが気になる。
    A 現状を確認。床の素材は天然の無垢仕様。無垢の場合は特に季節(外気である床下)の湿度や室内(冷暖房と調理等)の湿度変化等で伸縮します。
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    今回の事例では、床材に蓄熱式電気暖房機の温風が直接当たることで、部分的な過乾燥となります。
    そして、木部の湿気が放出されることで、床下で床を支えている鋼製束との間に隙間が発生し、それが床鳴りになっていると思われます。後日、床下に入って鋼製束で調整する事をお約束。

  • 【クロス】12月6日(土) 定期点検1年目(富山市S邸)

    リビング天井の照明付近、コーナー部分にクロスの切れや隙間を発見。主な原因として、室内外の湿度変化がありますが、クロスの素材も関連しているそうです。
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    コーナー部分のクロスは、予め隙間が発生する事を想定して、カッターで切れ目を入れて施工しており、この部分が目立ってきたと考えられます。逆に切れ目を入れてない場合、湿度変化によってクロスが変化した時に、よじれてしまうこともあります。こうなると修復が難しくなってしまう為、予め切れ目を入れています。
    今回は、1年目点検。今後も変化する可能性がある為、2年目点検での状態(※1)を待ってコークボンドで目立たないように補修する事をお約束。
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    ※1 木材等はだいたい2年で現地の気候(湿度等)になじむと言われているそうです。

    また、厚さが薄いクロスの場合、下地材が浮き上がってしまうことも。そこでクロス選びには室内空間のレイアウトは勿論ですが、住まわれてからの湿度変化も想定したほうが良いかもしれませんね。

  • 【雨垂れ】11月17日(月) 定期点検5年目(富山市K邸)

    屋根のすぐ下のモールには雨垂れ(※2)が目立っていました。数ある点検現場でも多く見受けられる、なかなかお客様によるDIYが行き届かない場所のひとつですね。
    (参考/2008年3月25日入善町U邸1年目点検、雨垂れ)
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    ※2 ネットで検索してみると雨垂れ防止の塗装(シリコン樹脂塗料)もあるようです。

  • 【引き戸(襖/ふすま)の開閉】11月17日(月) 定期点検5年目(富山市K邸)

    Q 襖の開閉がしにくくなることもある。
    A 現状を確認。お客様宅の襖は、太鼓張り襖(※4)で、高さの調整ができない仕様となっています。
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    ※4 茶室の襖等に用いられる、縁のない特別な襖です。
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    季節によっては、鴨居が下に下がってきて開閉がしにくいことがあると思います。特に冬場は気温が下がることで湿度が高くなり、木材が湿気を吸って膨張している状態。その時は、軽く鴨居を押し上げながら、開閉すると良いそうですね。

    また、襖同士が室内湿度(襖と接する2つの部屋)によって、開閉しにくい現象もあります。
    例えば、和室や座敷とリビングとの間の襖ですね。
    (参考/2008年6月4日富山市婦中町T邸1年目点検、和室の引き戸)

    ほかに弊社の過去の資料を探してみると、こんな2つの事例がありました。
    まずは1つ目の事例です。
    Q 閉まりにくくなった。
    A 現状を確認。
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    リビングと和室の湿度差の影響で反ったものと思われます。
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    元の状態に戻す場合は、現在の湿度の環境(リビングと和室)をひっくり返すことはできませんので、襖を取り外して立て掛けて置くことをお勧めしました。
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    立て掛けておくことで、襖の両面が同じ湿度の環境になり、反りが無くなります。
    (参考/2006年2月13日富山市Y邸2年目点検、過去資料より抜粋)

    2つ目の事例です。
    Q 引き戸の開閉時に異音がする。
    A 現状を確認。シリコンスプレーを溝に吹き付けて、滑りを滑らかにしました。
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    (参考/2006年11月22日富山市婦中町O邸2年目点検、過去資料より抜粋)
    (参考/2008年10月21日射水市M邸1年目点検、リビングドア)

    木製建具は、温度による湿度差(気温と湿気との関係)が一番影響を受けるようですね。
    湿度差で考えると、季節(床下の通気等)や生活スタイルによる湿度変化との関係ですね。
    (参考/2008年6月4日富山市婦中町T邸1年目点検、生活スタイルって一体・・・)
    (参考/2008年9月14日富山市婦中町W邸1年目点検、生活スタイルと室内建具)

    これを防ぐには、内と外の湿度差(環境)を抑えることが良いのですが、室内では快適に過ごしたいですから、真夏は冷房、真冬は暖房(機器は様々)等で、体感気温が最適になるように自然に逆らって調整していますね。それに伴ない室内の湿度(水蒸気量)が変化します。

    以上が「立て掛ける」や「シリコンスプレー」という方法です。
    それでも改善されない場合は、引き戸の戸首をカンナやペーパーで当たる部分を削る方法を取ります。

    また、ネットで探してみると様々な方法があるようですね。
    「反り」防止対策として、シリコンスプレー(潤滑性、防錆性、耐熱性、耐水性あり)を吹き付ける前に「ニス」等を塗布して効果を試してみる方法。でも、DIYではかなり難しそうです。
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    簡単な「反り」対策ですが、襖を少し開けて風通しを良くすることで、湿度差を少なくさせる方法もありますね。手間はかかりませんが、開けっ放しがちょっと気になる方は不向きかもしれません(汗)。

  • 【外壁の汚れ】11月16日(日) 定期点検5年目(富山市Y邸)

    お家の後面(北側)で外壁の汚れを発見。
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    北側の外壁に藻が生えているようでした。日当りが悪く外壁の乾きが他の面よりも遅いこと、そして外構の土(雨水の蒸発等)からの湿気等が原因と思われます。外壁内部への侵食は無いのですが、気になるようでしたら、塗装面を傷めにくい高圧洗浄が良いと助言。

  • 【開き戸】11月16日(日) 定期点検5年目(富山市Y邸)

    Q 開く際にドアが床に擦れている。自分でも調整しているが・・・。
    A 現状を確認。中にガラスが入った仕様です。オシャレですが、使用頻度や使い勝手等でドア本体が重みで下がり、床面を傷つけてしまう事もあります。
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    [軸側の床との隙間]       [戸先側の床との隙間]
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    [床のキズの様子]
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    そこで、3次元丁番のネジをドライバーで回して、ドアの傾きを前後左右、上下で調整。
    「あっ!私、上下にしか調整していなかった(笑)」と奥様はびっくり☆
    [奥行きと横方向の調整]     [上下の調整]
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    [調整後の確認]
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    キズは残りましたが、戸先が擦れる現状を改善。
    奥様も一緒に調整方法を見ておられましたので、今後のDIYでの改善方法をドアの仕組みも合わせてお伝えしました。