お客様宅は第3種換気計画。全ての部屋の給気口は開く、排気口(換気扇)はONの状態。
[LDK/開く] [2階居室/開く]
[排気口/洗面脱衣室] [排気口/サンルーム]

弊社・中田工務店の訪問検査(定期点検)は楽しい雰囲気です。「検査」と聞くと仰々しく感じることもありますが、お客様宅の現状検査と対処、将来的に起こり得る現象の説明となっています。
定期点検では恒例となっていますが、最後の「本日の点検結果のお客様への報告」です。木造住宅の場合は気候や天候、お家の立地条件(周辺環境)、室内の冷暖房器具等によって起こり得る現象がお客様宅によって異なってきます。善処していますが、限界も出てきます。どの時点でお客様のご理解を頂けるのかは難しさもあります。
今回のクロスの膨らみ現象。カッターで壁クロスに切れ込みを入れてコークボンドを充填する方法となりましたが、クロスの柄や色、厚み等によっては補修跡が逆に目立ってしまう場合もあります。
思えば・・約10年前、「他社はすでに定期点検を実施している?」と、家の点検が当たり前のように言われ始めた頃でした。弊社の場合は「どんなふうに点検するん?」「お客様から何を言われるんだろう・・」と、今思うと笑い話かもしれませんね。
お客様にアンケートの記入をお願いしました。
洗面所の広さ、大量の洗濯物が手軽に干せるのが良いとのこと。洗面脱衣クローゼットという縦長の空間になっています。室内に横幅があることで洗濯物を干すスペースが確保されています。
[洗面脱衣室]
「洗面脱衣室の入口にLDKの照明スイッチを付けたが不要だった」とお客様。玄関からLDKに入る際のスイッチは日常的に使われると思いますが、洗面脱衣室の照明が点灯している時にLDKが消えているというのはほとんど無かったようですね。
[玄関ホールからLDK] [洗面脱衣室からLDK]
「換気扇のお掃除・メンテナンスがしやすい」と奥様の好評。永原が提案したタカラスタンダード製の換気フードとなっています。
[キッチン]
Q クロスがヒビ割れしている。
A 現状を確認。下地ボードのジョイントになっている部分のクロスに変化が起こっている状態です。構造的な異常ではないのですが、湿度変化等で木部が伸縮することで下地ボードが少し動き、上に貼ってあるクロスが追随できずにヒビ割れしてしまう現象となります。
[2階居室/北側・東方向]
対処法としてコークボンドを充填して目立たないようにするしかないことを説明し、理解して頂きました。この場所は営業の永原がコークボンドを直接充填、コークボンドを指先に取ってヒビ割れ箇所に塗り込み補修することになりました。
一方、工事の砂田は別の場所をコークボンド補修しています。
[階段口]
[1階トイレ・開き戸] [道具類]
現状を確認。整髪剤や化粧水等の薬品による変色が考えられたのですが、お客様にお聞きしても心当たりは無いとのことでした。

床下からの斑点(手でなぞるとブツブツしている)や床上からの圧力?荷重?によってシミのような跡ができていました。

次に洗面化粧台からの水漏れ・排水管からの逆流の有無を検査。下の扉を開けて配管周囲にある小物をずらしました。

懐中電灯を照らして内部を検査すると、床下から出ている受け用の排水管の周囲が濡れているのを発見。給水管からの水漏れが考えられました。

給水管(右側は水)の周囲が濡れている状態。バルブを締めたのですが、僅かな水漏れは止まりませんでした。漏水によって床下のコンパネが濡れて上に貼ってあるクッションフロアを裏の生地から変化させたものと思われます。

今回は道具箱を持参していなかったのですが、急遽お客様からお借りして、銅管から漏れていた箇所を増し締めして応急処置(仮復旧)しました。

最後に水道水を出して給水管(水)の銅管部分からの水漏れが無いことを確認。給水管からの水漏れ現象には幾つかの原因はあるようなのですが、今回は弊社負担で洗面化粧台のコンパネや床下、クッションフロアの取替えをすることになりました。

今回の現象は引渡し当初(5年前)からの水漏れなのかどうか分かりませんが、2年目点検の床下検査では特に異常はありませんでした。何らかの原因によって数年前(2年目点検以降)からクッションフロアに徐々に現れてきたものと思われます。今回のことがあって、以降の点検からは洗面化粧台やキッチンの給水管からの水漏れ検査を徹底することになりました。起こり得る現象を知ることで早期発見が大事と実感させられた事例です。
