Q 水が漏れている。
A 現状を確認。左側の蛇口をシッカリと固く締めても少しずつ水が漏れている状態でした。洗面器に貯まっている水はカランから漏れたものがいっぱいになったそうで、パッキンの消耗が考えられます。メーカーのメンテナンスに来てもらって対処するのですが、材料費、工事費とは別に出張料(工事の有無に問わず)が発生します。
[浴室]
このまま放置する訳にもイカナイのですが、メーカーに依頼する時は費用負担を理解して頂くようお願いしました。
結露跡を検査。暖房機器は蓄暖ですが、過乾燥が気になっているとお客様。お子様の健康を考えて加湿器を多用しておられるご様子。サッシには結露防止シート等が貼られていました。
[リビング/東側]
結露の仕組み。蓄暖は高温で過乾燥になる傾向があるので、健康を考えると加湿器を使って室内湿度を強制的に上げることが必要ですが、蓄暖を切った後の室温が下がった状態では換気をしない限り、多湿になって結露してしまいます。
サッシのゴム部分には小さなカビが発生していました。放置したままだと深部にまでカビが侵入して取りにくくなる事例を説明すると、お客様は早速全てのサッシの結露防止シートを取り外して拭き掃除をされました。
[寝室]
結露防止シートは結露水を吸収しますが、その水分はどこに行くのか?と考えると難しいかもしれません。何回も拭き掃除をしなくても良いメリットがありますが、サッシ枠のゴム部分がカビの温床になりかねないデメリットもあると思われます。
今回は建築後5年が経過しているお客様宅でした。点検スタッフのひとりが「5年が経過しているとは思えないくらいにキレイに使っている」という感想。何を基準にしているのかは不明ですが、横窪は元々大工職人だったのを思い出しました。
横窪は仕事が丁寧であり、点検現場のお客様からは好評の声を頂いております。ありがとうございます。点検現場ではアレコレとドラえもんのような道具(補修用)をいっぱい持っています(あくまでも例えです^^)
現場監督とは違った視点でお客様に説明しているのが良いのかなぁと感じています。
さて、定期点検を重ねていくと色んなことがあります。これを社内で共有化しているのですが、訪問点検したスタッフにとっては記憶であり、点検現場に行っていないスタッフにとっては記録が頼りです。
新築して5年が経過すると、2年目までのような細かな指摘等が少なくなるのが一般的です。だからこそ、2年目までは慎重さが大事になり、5年目以降は丁寧さが必要と感じています。
お家の定期点検は住宅メーカーの販売側にとって附属的な意味しかないかもしれませんが、私たち点検スタッフにとってみれば「定期点検こそが工務店の強み」と強く思っています。地味な点検現場ですが、これからも丁寧なアフターフォローを心がけていきたいですね。
2013年3月7日(木)お家の点検5年目(富山市婦中町S邸)
所要時間 10:57~12:48 晴れ
スタッフ 横窪、渡辺
【N邸の紹介】
平屋建てのお家。平屋を選ばれる理由は様々。私なりに単純に考えると家族構成(ライフスタイル等)もあると思いますが、2階部分の建築面積が減ることによって「お家の装備・仕様の充実への予算を1階に充てられる」というメリットが大きいと考えています。
お客様宅は玄関をはじめ、お家の内外の至る所に「無垢材」が使われています。木を外部に用いる「木部あらわし」の点検現場では木材の劣化(腐食等)の速度を少しでも抑えるためにお客様によるDIY(防水塗装)を強くお勧めしています。
玄関に入ると、純和風的な「落ち着かせてくれる雰囲気」が自然と漂っています。ホールには畳が敷き詰められており、この畳の香りにも「癒し効果」があって、不思議と気持ちが安らいできます。
「木(もく)」が使われた、凝った装飾と内壁の質感等がお部屋に重厚感をかもし出しています。
前回の2年目点検は2010年4月22日。当時の記録・記事を読んでいると、その後の経年変化がよく分かりますし、点検の様子がリアルによみがえってきそうになるのが不思議です。
[雨水枡]
点検を実施。特に異常はありませんでした。
[建物後面/南東側]
[汚水枡]
点検を実施。キッチン等からの汚水枡の底には油脂等の溜まりが少しありました。キッチンの場合は中性洗剤等を使って食器類の油汚れを落とした排水が流されますが、その排水が配管を通る時、電子化作用等によって「取り込んだ油汚れを逆に放出」させて、白い油脂等になって配管の壁にくっ付く(溜まってくる)現象があります。
[建物右面/北側/キッチン]
お客様にも状態を見て頂きました。現在は白い油脂等が「配管壁に溜まる」現象ですが、将来的に次第に堆積していって「配管を詰まらせる(油脂等が固まる)」現象にならないよう、早い段階でホースの水流による洗浄をお願いしました。
他のアフター現場(築年数が10年以上/弊社の定期点検開始前のお客様宅)では定期的な訪問によるメンテナンス指導等(配管内の洗浄)をしていなかったこと(かもしれない?)が原因で排水管を詰まらせてしまい、専門業者に配管清掃等を依頼(費用発生)された事例があったのを紹介。
私をはじめ点検スタッフはこのような点検・メンテナンス指導がもっと早い段階からあれば良かったのに・・・と後悔することもあります(汗)
点検スタッフの説明を聞いて即座に「ホースを持ってくるよ」とお客様のリアクション。今回は点検スタッフがホースの水圧で汚れが溜まっている汚水枡を洗浄しました。洗浄後はとてもキレイな状態になっています。
Q 柱から松ヤニが出ている。
A 現状を確認。米松(べいまつ)を化粧柱に用いた仕様です。松ヤニが出てくるのは米松内に含まれているヤニが年月の経過とともに少しずつ出てきているものと思われます。
[建物左面/南側]
木の表面は新築時と比べると経年変化(太陽の紫外線等による劣化)によって少しずつ色あせていきますが、「木の特有の色合いや質感が良い」ということもあります。
[建物正面/東側]
お客様宅は軒の出を長くとっている仕様。これによって化粧柱は紫外線や風雨等の影響を受けにくい環境でもあり、劣化等の進行は遅いと思われます。前回の2年目点検でも助言しましたが、DIYによる防水塗装をお願いしました。「外部にある木は将来的に腐食する」こと、外壁の基材も「防水塗装で守られている」こと等々、今後は部材の保護(メンテナンス)が必要になってきます。[建物左面/南側]