壁の下には何故か青いテープが飛び出ていました。お客様に確認すると最初から出ていたとのことでした・・・(汗)。2年目点検時の点検スタッフの気づきが足りなくて申し訳ありません!!
[LDK/南側]
南側の壁からはみ出ていた養生テープをカッターで切り取りました。
Q 階段踊り場のクロスが剥がれている。
A 現状を確認。前回の2年目点検ではクロス保証期間内であり目立たないようにコークボンド補修を実施しましたが、今回は保証対象外の5年目点検。基本的にはお客様DIYで対処して頂くよう、高所作業の場合は足元に十分注意して作業して頂くようお願いしている点検現場での事例を紹介。
[階段踊り場]
下地材が湿度変化等によって伸縮すると同時に壁クロスも追随することで下地ボードのジョイント部分に起こり得るクロス変化。
他の数多くの点検現場でも同様の事例があり、膨らみやヒビ割れが発生してきますが、構造上の問題はほとんどありません。これらの現象に対して水性アクリル系のコークボンド(ホームセンター等で販売)を使って目立たなくする方法を口頭で紹介。
[LDK/南側/膨れ] [LDK/南側/ヒビ割れ]
膨れ現象 ・・・ カッターで膨れた箇所に切れ込みを入れて両端のクロスを少し開きます。その中にコークボンドを充填してローラーで均等に均した後にタオル拭きで仕上げ。
ヒビ割れ現象 ・・・ コークボンドを指につけてヒビ割れ部分に塗りこんだ後、仕上げにタオルで拭き取り。
以上をお話してお客様の感想をお聞きすると、ヒビ割れ対処だったら自分で出来るかも・・・と好返答。
部屋のコーナー(隅っこ)部分で白いプチプチ状になってくる現象について。コーナー部分の場合、起こり得る現象を想定してクロスを召し合わせて(突き合わせて)「切る」施工になっており、経年変化等を考慮して隙間が目立たないようにコークボンドが充填されています。コークボンドの耐用年数(貯蔵安定性)は2年(参考/接着剤ツールファースト/http://www.toolfirst.jp/chishiki/koukateki.htm)
仮に隙間が見えてきても隙間風が入ってくることはないので、気になるか?気にならないか?景観上の問題となります。比較的カンタンにDIYで補修できることを紹介。
[コーナー部分/和室等]
Q 床鳴り・キシミがある。
A 現状を確認。「ミシッ」という音であり、床鳴りではなく、床がきしむ音と思われます。構造上は特に問題はないことを説明し、床材の特徴を理解して頂きました。
[廊下やLDK]
床鳴りやキシミには数種類あります。
1 基材の接着部分の劣化
2 床材の隣同士のサネ(凹凸)部分
3 床材と下地材との間
4 床下の鋼製束の伸縮等
5 その他
季節や天候(自然環境)による湿度変化、床暖房(強制乾燥)による人工的な現象もあります。床暖房を使用すると木部が収縮、湿気のある季節になると膨張するという「木の調湿機能」もあるので、一年を通して床鳴りの有無を確認しています。
シロアリ保証の延長について。今回の5年目点検で新築時からのシロアリ保証が切れることを案内。昔の住宅と違って周りがコンクリートで囲まれているので特に問題はないと思われますが、更新の有無を確認しました。
お客様宅のLDKはリンナイ製のガス温水式床暖房。熱源機で加熱した床暖房用の専用ポンプでLDKの床暖房に循環させて熱利用しています。
ガス温水式床暖房のメリット(http://rinnai.jp/products/living/floor_heater/flh_hw_point)より引用
① 室内で燃焼しないので空気がクリーン(一般的な床暖房と同じ)
② 低温やけどの心配が少ない
→ 電気ヒーター式の場合、床に体や座布団などで接している面に熱がこもり低温やけどを起こす
ことも。ガス温水式は42℃以上にならない為、低温やけどの心配がほとんどないとのこと。
③ 温水循環で経済的
→ 必要に応じてガスを燃焼させてお湯を一定温度に保ちながら循環活用する為、ガス料金がお得。
スイッチをオフにしても余熱が床面温度にある為、ランニングコストが抑えられるとのこと。
④ 立ち上がりが早い
→ 定常時より高い温水を流す、ガス温水式床暖房のホットダッシュ機能で運転開始後の立ち上がり
時間は「床ほっとEシリーズ」では約45分。立ち上がりに時間がかかる電気式に比べて無駄な
エネルギー消費を抑え、スピーディーに設定温度に達するとのこと。
結露跡を検査。中庭側では特に目立っていませんでした。
[LDK/北側/中庭側]
結露跡があったせいか、小さなカビが発生していました。
[LDK/南側/外壁側]
「2階の結露がスゴイ」とのお話でしたが、水蒸気の発生原因はサンルームでの大量の洗濯物と思われます。除湿機2台をフル回転させておられるご様子。
[2階サンルーム/西側]
「ペアガラスは結露しにくい」ということ。サッシ仕様(価格や機能性)の違いや生活スタイルの違いによって、お家ごと起こり得る現象も異なってきます。「洗濯物が干せる・乾く」は室内に水蒸気が放出されることなので、これを排気・除湿できなかった場合は湿度の低下につれて結露化してきます。
この一連の仕組みを知って頂くことでカビの発生を防ぐ為の「拭き掃除が習慣」になると思われます。
お客様の中には「定期点検の時にこそ、色んな不具合等を全部話そう・相談しよう」というご家庭もあります。それがあってか「都合が悪いから来て!」等のスクランブル要請は少なくなったようです。
今回は「お客様宅では発生していませんが、将来的に起こり得る現象」、「DIYでお手入れ」等々の事例紹介を数多く取り入れました。お客様ご夫婦も真剣に傾聴されていました。
定期点検がスタートして数年後、お客様から「安心感がある」とのお言葉を頂いたのを思い出しました。私たちスタッフにとってみても設計・施工部隊の後に続く「定期点検部隊」への信頼感があってか、メンテナンスのバトンリレーがうまく出来るようになった気がしています。
弊社・中田工務店の定期点検・定期巡回が軌道に乗って約10年が経ちました。お客様と一緒にプランを考えて、お客様と一緒にお家のメンテナンスに取り組むこと。
この甲斐あってか、従前の「クロスの変化」、「建具(開き戸、引き戸、吊り戸)の不具合」、「床材や床鳴りの性質」、木造住宅の特徴である「木の調湿機能」が起因となる現象に対する問合せ等が激減したようです。全国のそして富山県のひとつの工務店として努力の成果の現われだと感じています。
2014年3月31日(月)お家の点検5年目(富山市F邸)
所要時間 14:58~16:00 晴れ
スタッフ 横窪、中谷、渡辺
【F邸の紹介/5年目点検に続く10年目点検に向かって・・・】
お家に現在発生している・将来起こり得る現象について対処・予防、注意喚起している弊社・定期点検チーム。地道な努力の積み重ねだと実感しています。
住宅メーカー各社からは「新築後のアフターメンテナンスの一環として定期点検を実施しています」というキャッチフレーズがありますが、実際に体験されていないお客様はなかなか点検現場の状況が分かりにくいと思います。建築に素人な記録係の私ですが、これまでに500以上の点検現場を直接・間接体験してやっと分かるようになってきました(汗)
だからこそ、全てのお客様・お手入れを考えておられる方々に対して「本ブログを通じていろんな情報を伝えたい」という気持ちが強くなってきたと、点検ブログの立ち上げ当初を思い出しています。
弊社・中田工務店の定期点検に備えて事前に不具合等を思い出しておられるお客様、点検に同行しながらアレコレと思い出させるお客様、点検スタッフとの様々な応答があります。
定期点検の現場を体験すると、メンテナンス意識が芽生えるお客様も少なくありません。これがお家の経年劣化等を遅らせる、未然に防止させるキッカケになっていると感じています。
[雨水枡]
雨水枡の点検を実施。蓋は周囲・外構に溜まる雨水も排水できるメッシュ型になっています。
[建物右面/東側]
試しにドライバーを枡内に入れて泥の溜まり具合・深さを測定・検査すると、かなりの量の泥が溜まっていました。このまま放置しておくと、雨樋などの配管を詰まらせてしまう可能性もあるので、ショベル等で泥を枡外に排出して頂くようお願いしました。
また、定期的に枡内をお掃除される以外で今後の予防策として(周囲が泥なのは仕方ないのですが・・・)枡の周囲にタマリュウ等を植え込んで雨水に含まれる泥を「ろ過」させながら外周の水はけを良くさせる方法をご提案。
[汚水枡]
点検を実施。白い油脂等が少し溜まっていました。
[建物左面/キッチン等]
お掃除・洗浄する為にホースリールをお借りしようとしましたが、蛇口に固定されていて取り外しが
出来ませんでした。そこで、バケツに水を入れて流す方法に切り替えました。
バケツの水を流しながら溜まった油脂等を洗浄している様子をお客様に見て頂きました。水で流しても
なかなか取れない油脂等があったので、中谷が車の中に携帯しているホウキの柄の部分を使いました。
ホウキを逆さにして柄の先端部分でこびり付いた油脂等を突きながらバケツの水で再度洗い流しました。掃除後はこの通りキレイになりました。