Q 襖の開閉がしにくくなることもある。
A 現状を確認。お客様宅の襖は、太鼓張り襖(※4)で、高さの調整ができない仕様となっています。
※4 茶室の襖等に用いられる、縁のない特別な襖です。
季節によっては、鴨居が下に下がってきて開閉がしにくいことがあると思います。特に冬場は気温が下がることで湿度が高くなり、木材が湿気を吸って膨張している状態。その時は、軽く鴨居を押し上げながら、開閉すると良いそうですね。
また、襖同士が室内湿度(襖と接する2つの部屋)によって、開閉しにくい現象もあります。
例えば、和室や座敷とリビングとの間の襖ですね。
(参考/2008年6月4日富山市婦中町T邸1年目点検、和室の引き戸)
ほかに弊社の過去の資料を探してみると、こんな2つの事例がありました。
まずは1つ目の事例です。
Q 閉まりにくくなった。
A 現状を確認。
リビングと和室の湿度差の影響で反ったものと思われます。
元の状態に戻す場合は、現在の湿度の環境(リビングと和室)をひっくり返すことはできませんので、襖を取り外して立て掛けて置くことをお勧めしました。
立て掛けておくことで、襖の両面が同じ湿度の環境になり、反りが無くなります。
(参考/2006年2月13日富山市Y邸2年目点検、過去資料より抜粋)
2つ目の事例です。
Q 引き戸の開閉時に異音がする。
A 現状を確認。シリコンスプレーを溝に吹き付けて、滑りを滑らかにしました。
(参考/2006年11月22日富山市婦中町O邸2年目点検、過去資料より抜粋)
(参考/2008年10月21日射水市M邸1年目点検、リビングドア)
木製建具は、温度による湿度差(気温と湿気との関係)が一番影響を受けるようですね。
湿度差で考えると、季節(床下の通気等)や生活スタイルによる湿度変化との関係ですね。
(参考/2008年6月4日富山市婦中町T邸1年目点検、生活スタイルって一体・・・)
(参考/2008年9月14日富山市婦中町W邸1年目点検、生活スタイルと室内建具)
これを防ぐには、内と外の湿度差(環境)を抑えることが良いのですが、室内では快適に過ごしたいですから、真夏は冷房、真冬は暖房(機器は様々)等で、体感気温が最適になるように自然に逆らって調整していますね。それに伴ない室内の湿度(水蒸気量)が変化します。
以上が「立て掛ける」や「シリコンスプレー」という方法です。
それでも改善されない場合は、引き戸の戸首をカンナやペーパーで当たる部分を削る方法を取ります。
また、ネットで探してみると様々な方法があるようですね。
「反り」防止対策として、シリコンスプレー(潤滑性、防錆性、耐熱性、耐水性あり)を吹き付ける前に「ニス」等を塗布して効果を試してみる方法。でも、DIYではかなり難しそうです。
簡単な「反り」対策ですが、襖を少し開けて風通しを良くすることで、湿度差を少なくさせる方法もありますね。手間はかかりませんが、開けっ放しがちょっと気になる方は不向きかもしれません(汗)。