床材の変色跡。ご主人に暖房器具についてお聞きしたところ、結露の元となる石油ファンヒーターや室内干しはされておらず、雨水の進入も無いとのことで不思議な現象でした。サッシの上に結露吸収シートが貼ってある状態を見ると、冬の時期に結露が発生していたものと考えられます。
[LDK/南側]
奥様にお聞きすると、結露吸収シートを床材のほうにも貼っておられたそうで、水分を含ませたまま放置されていたことが原因で床材にしみ込んだものと思われます。それ以降は床面には結露吸収シートは貼っておられないご様子。
毎年欠かさずにワックスをかけておられる奥様。新築して約10年経っていますが、床のツヤが今なおあって無垢の美しさを更に引き出しています。
リンレイ製のワックスだそうです。素人とは言えないくらい、かなり上手に施されています。
(参考/http://www.rinrei.co.jp/home_care/category/item/floor_resinwax/item_03.html)
アレから10年。思えば・・・弊社・中田工務店の定期点検はおかげさまで10年目を迎えました。
定期訪問を始めた10年前。弊社の定期点検実施は富山の工務店・住宅メーカーの中では遅いほうだったと思います。当時はアレコレと試行錯誤しながら、メンテナンス担当の知恵・経験的知識を間近で教わりながら、新築の現場監督であるスタッフが定期点検へ業務を少しずつ移管してきました。
そして、1年目、2年目点検と進んで5年目に差し掛かった時・・・
これまでの点検とは違う形式にしなくてはイケナイ・・・?と、この時もメンテナンス担当に聞きながら・密着取材しながら点検項目や精度を向上させていったのを思い出します。
そうして・・・やってきた今回の10年目点検。
10年目の点検現場とは?
新築のお家に住まわれて10年が経った方、新築に住まわれて近い将来に10年を迎える方、これから建築・プラン入りするが、10年後のお家ってどうなっているの?どうなってしまうの?と、疑問・不安に感じておられる方々へ。
お家はご家族が住まわれる大切な場所。経年変化等は起こり得る現象なので、あらかじめ「知っておく」「知って頂く」ことが大切だと実感しています。「ある住宅メーカーで建てたんだけど詳しく教えてくれない。聞いたけどよく分からない。」等々、起こり得る現象は本ブログでカテゴリ別に分けています。内容は詳しくないこともありますが、是非とも今後の参考にして頂きたく思います。
2014年5月10日(土)お家の点検5年目(富山市K邸)
所要時間 13:24~15:20 晴れ
スタッフ 前根、渡辺
【K邸の紹介】
お気に入りの場所は・・・「中庭」
お客様宅の間取りは四方が壁で囲まれている中庭です。「人目を気にしないでバーベキュウ等を楽しめる」と大好評♪セカンドリビング的な発想かもしれません。
中庭をグルッと囲う間取り。上手に考えられています。プラン当時はお客様と設計士とが練りに練った発想だったそうです。
キッチンもグルッと囲っている配置。奥様も前後左右と効率よく家事をこなせているご様子。
「お客様の声を聞かせてください」のアンケートです。
お客様からの4年ぶりのアンケート(新築後の1年目では住み心地アンケート)では・・・
「快適です」、「今後ともよろしくお願いします」というご感想を頂きました。ありがとうございます。
[雨水枡]
雨水枡の点検を実施。枡内は特に異常はありませんでしたが・・・。
[建物正面/北西側]
何故か・・・全部の雨水枡の蓋が逆さに入っていました。弊社スタッフの不手際かと思ったのですが、前回の2年目点検の記録を見ると実際に開け閉めしたようであり、何かのイタズラ?かもしれません。蓋が逆さになっていても問題ありませんが、少し驚いてしまいました・・・(汗)
[建物右面/南東側]
[建物正面/南西側]
[汚水枡]
点検を実施。白い油脂等が少し溜まっていました。
[建物後面/東側/キッチン等]
お客様にも現状を確認して頂きました。溜まっている白い油脂等は年月の経過とともに次第に堆積して将来的には詰まることもあるので、ホースの水流で定期的に洗浄して頂くようお願いしました。
[建物左面/北側/洗面脱衣室等]
生活排水等はこのように汚水枡を経由しながら排水管を通過して下水道の本管に流れていきます。例えば食器を洗う時に使用する洗剤は油汚れを分解・分離しますが、その洗剤排水が排水管を通る時に電子的・温度的な要因で油を切り離すという「油脂等が溜まる仕組み」を紹介。
シーリング剤の経年変化等の現状を確認。シーリング剤にはゴムのように弾力性があるので、外壁材の動き(湿度変化等による下地材の動きに追随)に伸び縮みしながら隙間が開かないようにしており、雨水の進入を防ぐ役割があります。建物の立地条件等(街中や周囲に何も無いの違い等々)によって太陽の紫外線による劣化現象の進行の違いはありますが、一般的に検査結果によっては10~15年目を目安にシーリングの打ち直し工事をしている事例を紹介。
[建物正面/西側]
劣化・硬化等によるヒビ割れ箇所から雨水が進入しても内部には防水シートが施されているので、直接的な雨漏りの原因にはならないのですが、早めの対処が必要となります。
また、外壁材の表面には防水塗装が施されていますが、塗膜が劣化してくるので将来的な外装工事にも備えて頂くようお願いしました。