2階のトイレをほとんど使っていないお客様は、便座の電源を切って、一週間に2~3回は水を流しておられるご様子。
「水を流す」行為については、溜まっている水が蒸発して水量が減ることで異臭が発生するのを防ぐ役割があります。トイレの水を流すことで水が一定の位置まで補充される仕組みの応用ですね。
Q 換気扇はやっぱり掃除したほうが良いのか?
A お掃除をしないと、汚れが落ちにくくなるので、定期的なお掃除をお勧め。
外からの風が換気口へ逆流して、換気扇に溜まっているホコリが室内に入ってくることもあります。
また、プロペラの軸の部分にホコリが付着すると回転に負荷がかかり、電気代が少しかさむことも。
ここで、過去の資料で実際に外している写真がありましたので、ご紹介します。
(参考/2006年10月2日高岡市T邸2年目点検、換気扇の掃除より抜粋)
[天井取り付け型]
[脱衣室、トイレ]
(参考/2006年11月22日富山市婦中町O邸2年目点検、換気扇の工夫より抜粋)
お客様が換気扇内部にホコリが溜まらないように工夫されている様子。汚れた後はフィルターをゴミ箱にポイですね。
点検現場では、どの程度まで説明すべきなの?って、考える事があります。
今回の点検で特徴的だったのは、お客様にも「小屋裏」や「床下」を実際に見て頂いたこと。
いつもは立ち会って頂くだけですが、お客様にも「動く」ことを通じて、鮮明に受け止めて頂けたかと思っています。
お客様は「どのような現象が起きるのか、経験しないとなかなか分からない」と思います。
建築業界に携わっていれば、ある程度は理解できますが、不具合が起こった時はどうすれば良いのか迷ってしまいます。
「このような現象の場合はこうする」や「この仕様の場合はこのような現象が起こるかも」といった情報や事例等を「お引渡し時や1年目、2年目、5年目点検等々」の限られた時間ではありますが、お客様と一緒に、将来のお家の事を考え、守っていきたいです。
早い段階でお客様が「現象等や対処方法、仕組み等」を知っておられることで、防ぐ気持ちが働くと思います。
弊社の定期点検は2005年7月からスタートしました。はや3年と8ヶ月。今までの経験から考えると数時間の点検で説明しても忘れてしまうのが常だと感じています。今回お渡しする「住まいの管理手帳」で今日のメンテ意識や方法等の記憶を忘れないでくださいね。
基礎の表面に施してある化粧モルタルにヒビ割れを発見。季節の気温変化で一般的に起こり得る現象です。構造への影響は全くありませんので、お客様へは様子を見て頂くことになりました。
また、基礎本体はワイヤーメッシュというコンクリートの割れを防止する鉄筋の格子が入っている施工です。コンクリートは気温により、膨張や伸縮します。圧縮には強く、引っ張りには弱い性質がありますが、鉄筋が入る事で双方の弱点を補っている形となっています。
(参考/2008年4月18日富山市H邸1年目点検、ひび割れ)
(参考/2008年8月25日富山市I邸2年目点検、モルタルのヒビ)
土間コンクリートにヒビ割れを確認。これも化粧モルタルと同様の現象です。
コンクリートは水とセメントを混ぜ合わせたもの。打設後、次第に水分が抜けていくことで、強度が増すようです。ただ、均一に水分が抜けるわけではなく、弱い部分(角)は割れやすくなってしまいます。
「コンクリートは割れるもの」という業界ならでは、の常識、宿命というものがあるそうで、割れても目立たないようにする工夫として、誘発目地をいれる施工もあります。
サイディングの模様や色(仕様)によってか、ベンドキャップからの雨垂れは目立っていませんでした。
サイディングのジョイント部分のコーキングが凹んでいました。これは外壁の下地材が季節等の湿度変化により伸縮することで起こる現象です。このコーキングはジョイント部分から雨水が浸入するのを防いでくれる役割があります。
コーキングには弾力性がありますが、日差しが強く当たる南側や西側では紫外線の影響で劣化(硬化等)という経年変化が他の面よりも速くなる傾向にあります。
外壁の内側には防水シートが施されていますので、コーキングが劣化したからといって、すぐに雨水が入る心配はありません。
今回は1年目点検。まだまだ先のお話です。目安として、弊社の5年目や10年目点検の機会にご相談頂ければ、「現状を見て、今後を想定して」の判断になると思います。
(参考/2008年10月21日砺波市N邸5年目点検、外壁のヒビ割れ)
Q 床鳴りがある。
A 現状を確認。音から判断すると床下にある鋼製束と木部との間に(木部の季節の湿度変化による伸縮はありますが)過乾燥による隙間が発生しているものと思われます。
そこで、床下に入って鋼製束を増し締め(※1)して、床鳴りを改善。
※1 増し締めの方法では、「2008年9月14日富山市婦中町W邸1年目点検、床鳴り」で解説しています。床下で調整している間は床上のスタッフとの連携が必要です。
この現場でのスタッフのやりとり(音声)を活字化すると・・・
床上では坪島、床下では大矢となっています。
坪島「大矢く~ん、ココを踏んでみるけど、どう~?」
大矢「もう少し、ギュッギュッと踏んでみて下さ~い」「今、やってま~す!!」
坪島「あっ!床鳴りが無くなった」
大矢「分かりました~!それじゃ、OKですね~!!」