開閉テストを実施。カタカタと雪見障子の格子同士の擦れる音がしました。
格子の状態を確認。格子が上下に動く構造になっています。真ん中のほうが凸状になっていました。無垢材の特徴でもあるのですが、湿度変化によって伸縮(湾曲)したものと思われます。普段は障子戸を開けない生活スタイルであり不便さは感じておられないので、このままの状態となりました。
全室が床暖房。住み始めて1年目の冬は1階も2階も全ての床暖房を点けていたが、2年目の冬は1階だけにすると経済的になったと、お客様の嬉しいご感想。1階の暖気が2階に上がっていくことで2階の床暖房を点けなくても済んだようですね。
[床暖房のコントロールパネル]
階段はリビングではなく廊下に面している間取り。階段口の入口には引き戸があり、この扉を閉めることで2階との寒暖の空気の対流を防ぐのに役立つのですが、1階全体が床暖房で非常に暖かい状態である為、暖気を2階に逃がす格好で節約になっている事例です。季節を問わずいつも開けっ放しとのことで、開放的で良いと思われます。
[扉を開けた様子] [階段の様子] [扉を閉めた様子]
和室にも床暖房を入れたが、畳が断熱性能の高いスタイロ畳であり、床暖房の恩恵はあるのか?と疑問視されていたお客様。
[1階リビング・キッチン] [和室] [2階居室]
全室が床暖房。1階と2階がほとんど同じ仕様であると考えると、予算的に余裕が無い限り、なかなか出来ない装備の選択ですが、ご家族のことを考えて「寒い思いをさせたくない」というお気持ちは強く伝わってきます。
間取りと冷暖房設備、風の向き等々。点検現場でお客様のご感想をお聴きしていると、床暖房もそうですが、「蓄暖は1階だけで良かった」等々もありました。お家の間取り・仕様・装備等はお客様と弊社プランナー等の合意の上で決められていくものと思われますが、お客様自身も予備知識を持っておられたほうが良いこともあります。
外での気象等による自然現象は多くのお客様がご存知なのですが、お家の中にも同じような現象があることをあまり知られていないのも事実です。暖気と寒気の移動(1階と2階)、湿った空気と室温などで起こり得る結露等々、生活スタイルにも関係してきます。
今回は結果的に建築前と中のプラン打合せ(仮想)と住まい方の変化・発見(現実)にギャップが生じる事例になりました。住まわれているお客様にとっては毎月の支払である「住宅ローン」があり、新築当時の大満足がちょっと反省しなきゃイケナイへと変化することもあります。本ブログがこれから建築される方々への参考となれば本望です。