クロスの隙間等を発見。コーナー部分のクロス施工では下地・クロスの伸縮・追随等を想定して「切る」施工になっています。そのコーナーの隙間を埋める為にコークボンドが充填されており、経年変化等でコークボンドが劣化して隙間が開いてくることがありますが、構造上は特に問題はありません。
[LDK] [2階居室]
[階段口]
壁クロスの隙間を発見。コークボンドを充填して目立たないようにしました。
[寝室]
膨らみ現象への対処は難しいのですが、短い長さだったので上手にできました。
[寝室] [カッターでクロスに切れ目を入れる]
[切れ目にコークボンドを充填]
[ローラーで水平に均す] [補修完了]
壁面にクロスの浮き現象が見受けられました。太陽光ではなく室内照明で照らされると分かりやすくなります。この現象は下地ボードのジョイント部分であり、湿度変化による下地材(木部)の伸縮に伴ってクロスが変化してきたものであり、一般的なご家庭でも起こり得る現象となります。この状態でも構造上問題ないので説明・他の事例を紹介しながら納得して頂きました。
[寝室]
[クロスの経年変化について]
クロスの変化では寝室の一部だけが目立っていました。部屋のコーナー(隅っこ・角っこ)部分でクロス同士の間が開く「隙間現象」が発生することもありますが、湿度変化等によって下地の木部が伸縮・クロスが追随することが主な原因です。この状態を想定してクロスは「切る」施工になっているので、クロス同士の隙間には弾力性のあるコークボンドが使用されています。
ボンド剤の耐用年数は2年ですが、室内環境によっても経年変化は異なってきます。硬化してプチプチ状になって隙間が発生しても構造上は問題なく、隙間風が入ることはありません。
Q クロスの隙間が目立つ。
A お客様から指摘のあった箇所に対して目立たないようにコークボンド補修を実施。
[DK]
[コークボンドを充填]
[2階寝室]
足元にベッドがあったので足場(脚立)を置けない点検スタッフを察してか、お客様がベッドに上って自らコークボンドを手に取り、慣れない手つきで補修・充填されていました。でも、やはりチューブタイプのコークボンドを片手で絞るのは使いにくいご様子。そこで、横窪が改めてお客様に代わって脚立を縦にして(渡辺が横から支えながら)コークボンドで補修しました。
エアコンの横で縦に隙間が入っていました。
[2階寝室/東側]
コークボンドを充填。目立たないようになりました。
今回はお客様にもお手伝いをして頂く形となりましたが、実際に体験してみると「意外と簡単」ということが分かると思います。定期点検チームの一員である私でさえも同行しているだけで「自分でもできるかも?」と錯覚じみた感覚になることもあります。
ホームセンターに行くと色んな補修用アイテムを目にすると思います。でも、どのように使うのか実際に使っている現場に立ち会わないと分からないと思われます。私自身もそうでした。それまではホームセンターに行っても関心が無かったのを思い出します。
お家は展示場と違って、ご家族が住まわれてから部材・部位の経年変化・磨耗等が起こってきます。「自分なりに補修」することで次第にコツ・仕組みも分かってきますし、愛着も沸いてくる・・・そんな点検現場での実話です。
Q クロスに隙間がある。
A 現状を確認。色違いのクロスの間が剥がれてきたようです。
[階段口/寝室前]
コークボンドを剥がれた箇所に再度充填、ローラーで均してタオルで拭き仕上げ。
2階ホールから寝室への短い階段は曲がっているので、脚立をバランスよく置くことができません。そこで、脚立の脚の3点は階段桁に置いて、残りの1点は足の甲にしました。非常に痛かったのですが、安全第一ということで・・・(汗)
[2階居室]
コークボンド充填とタオル拭き取り
手際よくコークボンドやタオルを使って目立たないように補修しています。
[クロスのヒビ割れ]
Q 天井のクロスに白い線が出てきた。指で擦ると少しは取れるが、ヒビ割れなのか?
[寝室天井]
現状を確認。下地ボードのジョイント部分(クロスが左右に引っ張られている)であり、タオルで擦るとクロスのヒビ割れが分かる様子。コークボンドで調色しながら補修(一般的にはクリアかホワイトのコークボンド)という方法もありますが、補修跡が逆に目立ってしまうこともあります。お客様との協議の結果、このままの状態を理解して頂きました。
[2階ホールの天井]
[コークボンド充填] [タオルで拭き均し]
[スポンジで拭き仕上げ]
Q クロスの隙間等がある。
[リビング/コーナー/隙間]
これはクロスの膨らみ現象です。その少し左側に下地ボードのジョイントがあります。
[リビング/壁]
A 今回は当時のクロス施工の協力業者の方にも同行をお願いしていました。一般的な補修方法ですが、クロスの膨らみ部分をカッターで切れ目を入れてコークボンドを充填、ローラーで均等に均しています。
[クロス補修道具] [クロス施工の道具入れ]
光の加減、撮影時の角度等によってクッキリとは撮れていませんが、以前よりは目立たなくなりました。
[ビフォー] [アフター]
お客様は今回の一般的な補修跡には納得されず、クロスの部分貼り替えを強くご要望されました。
弊社からの説明では・・・「大きな吹き抜けがあって、上からの部材等圧力でこのような膨らみ現象は発生しやすい」でしたが、お客様側からは・・・「発生することが変。1年目点検では「貼り替える」ニュアンスだった」と強く抗議されました。同じ言葉であってもお客様と弊社の認識が違ってしまっていた事例になりました。
今回のクロスの柄・模様は「横」です。「縦」の場合は「縦に切る」補修でも柄をつなぎ合わせれば目立ちにくくなるのですが、横の柄の場合はつなぎ部分が目立ってしまうと思われます。お客様との協議の結果、貼り替え範囲は膨らみ現象のあった周辺から北側の外壁面までの長さになりました。弊社の説明不足・説明の仕方に不備があったことが原因と思われます。丁重に謝罪しました。