Q 勝手口ドアのロックが掛かりにくい時期があった。
A 現状を確認。今回は特に扉の開閉やロックの状態に違和感はありませんでした。そこで、これまでの点検現場での事例の中で季節の温度変化等によって掛かりにくくなった現象を紹介。アルミ製のドアの場合、膨張率が鉄の約2倍あり、暑い夏場では「反り」という現象が発生することもあります。
今後、ロックが掛かりにくくなる現象が出てきたらご連絡して頂くようお願いしました。
玄関前や駐車スペースの表面が赤サビに似た色で変化していました。このような事例を実際に見たのは初めてでしたが、海岸沿いの融雪道路ではよくある光景だとか・・・。井戸水を使った融雪(ホースに穴を開けたような簡易的なもの)に関係があったものと思われます。
点検現場では詳しい原因が分からなかったのですが、気になったので少し検索してみました。
※ 鉄バクテリアによる赤水
鉄バクテリアというのは「鉄を酸化して自分の体にくっつける」という性質を持っているそうです。
だったら何の為に酸化してるの?と疑問。この酸化した時に出るわずかなエネルギーを使って生活しているとのこと。このバクテリアが井戸の中で繁殖して、その固まり(コロニー)が井戸水とともに揚水されて、これが塩素消毒によって酸化され真っ赤になり、赤サビそっくりになるようですね。
(参考/「赤い水」を知っているか/http://www.suga-kogyo.co.jp/f9n72viw/iro_aka.html)
鉄バクテリアは人畜無害のようで、安心しました。
さらに調べて見ると・・・
鉄イオンやマンガンイオンが多く含まれる水は、俗に金気(かなけ)が多い水とされ、味覚に違和感があるようです。水道水源ではこれの除去手段として鉄バクテリアの活用が着目されているそうです。
(参考/ウィキペディア)
Q 蓄暖の後ろ側の掃除をしたいのだが、どうすれば良いのか?
A 現状を確認。蓄暖が壁近くに設置しているのは「蓄暖はかなりの重量があるので、一度設置すると移動が難しく、設置した箇所は一年中お部屋空間の一部を占めてしまう」という理由だそうですね。
蓄暖の後ろ側の日常的なお掃除については、他のお客様宅での点検応答にもあったのですが、自家製になるのですが、細い金物にタオル等を巻きつけて奥のホコリを取り出す感じになると思われます。
Q また、ホコリが溜まってくると発火の危険もあるのでは?
A 蓄暖の構造は内部にレンガが入っており、電気の力で暖まったレンガの輻射熱を室内に送り込んでいる仕組みです。これは火を使わずに100Vの専用線で引っ張っています。
お客様が想像されている一般的なコンセントとプラグの接続ではないので、トラッキング現象(※)の心配はないと思われます。
※ トラッキング現象とは・・・
コンセントにプラグを長期間差し込んだままにしておくと、ホコリが徐々に溜まってきます。これが湿気を帯びると、プラグの両極間で火花放電が繰り返されます。次第に絶縁状態が悪くなってくると、プラグ両極間に電気が流れて発熱し発火するという流れです。
(参考/http://www.fctv-net.jp/~r-tecno/setumei.htm/トラッキング現象)
太陽の紫外線等の影響によって、外壁材の塗膜や外壁材同士の間のコーキング(弾力性あり)が次第に劣化・硬化してきます。外壁材の塗膜の防水効果が失われると、次第に基材が傷んでいってしまい、余計に費用がかさんでくる事例を紹介。
お家の外装は防水塗装で保たれていますので、定期的な防水塗装の塗り替えが必要となります。
また、屋根材も同様でコロニアル仕様の場合は基材の表面に塗膜が施してあります。太陽の紫外線等による劣化もありますが、屋根雪が凍って下に落下(屋根の上を移動)する際に塗膜を傷つける事例もメンテナンスの現場から報告されています。
10年目点検で改めて状態を確認しますが、15年前後(一般的な目安)を目安に改装計画を考えて頂くようお願いしました。
Q コーキングされた箇所が黄色く(※)なっているのは何故か?
A 点検現場では「紫外線の影響」とお応えしましたが、少し気になったのでネットで調べてみました。
※ 浴室や洗面所の壁等のタイル目地や隙間を埋めるためにコーキング材が使われています。
一般的なコーキング材はカビ発生防止のために防カビ剤が混入されているそうです。一般的な防カビ剤は紫外線によって変色(特に黄変)が起こりやすく、防カビ剤の添加量が多いほど防カビ効果は高くなりますが、黄変も激しくなってしまい、外観が悪くなる傾向もあるようですね。
(参考/黄変防止性シリコーンシーラント/http://www.patentjp.com/08/L/L100007/DA10103.html)
Q 結露跡を検査。奥様にお聞きすると「結露はない」とのご返答でした。
寝室の暖房器具はエアコン、リビングは蓄暖やエアコンとなっています。結露が発生する仕組みは「室内水蒸気量の増加と室温の低下」です。同じお家であっても「生活スタイル」によって変わってきます。
例えば、石油ファンヒーターの場合は燃焼すると室内に水蒸気が発生したり、室内で洗濯物を干すと乾くことで室内の水蒸気が増えます。
これは階段口に取り付けられたロールカーテンです。これを下げると、冬の間は1階リビングの暖気が2階へ逃げないようにしてくれますし、夏はその反対になります。1階と2階の暖気と寒気の対流をある程度防いでくれます。その分、室内の気温が安定しますので、光熱費の節約にもなります。
2012年2月1日(水)お家の点検について(別角度から見てみようの編)
スタッフ メンテナンス専門チーム一同
【お家のアフターメンテナンス(定期点検)の様子が見える】
弊社では過去数年間にわたってお家の定期点検(新築お引渡し後の1年目、2年目、5年目)をブログに掲載してきました。ブログ上では点検当日の記事(点検現場での写真とコメント)を場所や現象等で区分しているのですが、ブログの性質上、時系列の並びになってしまい少し分かりにくいこともありました・・・(汗)。
そこで、一般的なお家の鳥瞰(ちょうかん)図を制作して、「ブログに書いてあるのは具体的にお家のどの辺りなの?」等々ということが視覚的にも分かりやすくなるように考えてみました。
これは平面図(左)と鳥瞰図(右)です。この間取りは弊社の設計士が書いたものではないので、あくまで一般的なサンプルとして見てくださいね。設計士が書くと、もっともっとステキになります☆
(私の場合は平面図に不慣れなので、鳥瞰図のほうがイメージしやすいと思います)
これは図面を利用して一般的なお家を立体的にしてみました。外回り・外周(雨水枡や汚水枡、屋根点検等)の点検場所等が具体的に分かりやすいと思います。
外回りの点検では・・・
外壁や雨樋、基礎、サッシ、屋根(2年目、5年目、10年目)、雨水枡・汚水枡(5年目、10年目)等々、数えるとキリが無いかもしれません・・・(汗)
外回りの後は室内の点検・検査を順番に行ないます。間取りによって順不同ですが・・・
玄関→ホール→LDK→キッチン→トイレ→洗面脱衣室→浴室→・・・等々
床下や小屋裏(天井裏)の点検は2年目、5年目、10年目となっています。
でも、お客様からのご要望があれば、○年目点検で検査する項目以外も実施しますので、ご安心くださいね。
お家の仕様・装備等によって違いはあるのですが、点検する項目はほとんど同じになると思われます。
また、お家の内外で起こり得る現象や事例では、お家の立地・周辺環境(周囲に何があるのか?天候の影響を受けやすいか?等々)や自然環境、住まわれるご家族の生活スタイル(冷暖房器具や調理器具等による室内水蒸気の増加等)等々によっても異なってきます。
一般的に新築時の「新しい時」は「部材等の経年変化が現れてくる数年後」に対してそれほど関心が無いのですが、将来的に起こり得る現象や事例等をあらかじめ知っておくことで「回避(予防)したり、遅らせたりできる」というメンテナンスの考え方を少しでも理解して頂ければ幸いです。
詳しくはコチラ(http://kknakada.zenkei.net/kknakada/ps/toyama_juutaku_anshin_anzen/)をご覧下さい。