1年目点検では3枚引き戸のうち、和室側の引き戸が最後まで閉まらない現象がありました。
[和室とLDKの間/3枚引き戸]
今回は開閉に支障はありませんでした。当時は建材メーカー等による生産ラインでのクレームがあり、現象を改善できるパーツがメーカーから支給、1年目点検で桟に取り付けていた経緯があります。
Q ヒビ割れがある。強度は大丈夫なのか?
A 現状を確認。温度変化による収縮でコンクリートの表面だけがヒビ割れしている現象と思われます。構造上は特に問題ありません。
[玄関アプローチ/西側]
Q この箇所のヒビ割れは強度に影響があるのか?目立たないようにできるのか?
A 現状を確認。お客様は市販されている補修剤を試しに購入してDIYでヒビ割れ箇所に充填してみたそうです。施工時期、範囲、補修材料等の違いによってなのか、埋められた部分が少しずつ剥がれていました。
[北側スペース]
コンクリートは安価で耐久性があって全体としての強度はほとんど問題ありませんが、引っ張り強度が小さい特徴があるので、温度変化により収縮して発生する表面のヒビ割れは起こり得る現象となります。既存のヒビ割れ箇所をVカット(※1)等で削ってポリマーセメントモルタル等を流し込む(充填する)補修方法はあるのですが、ヒビ割れ範囲が補修の目安となる0.5mmに達していませんでした。協議の結果、今回は可とう性(柔軟性のある)のエポキシ樹脂シーリング材を擦り込むこととなりました。
※1 Vカットとはサンダーでヒビ割れ部分をさらに削り広げて、割れの元(表面だけでなく下部まで)から補修材を厚く打ち込む為に削る作業です。割れの元から充填補修することで「割れ癖」を低減・回避することができるようです。
Q カウンターの裏面がヒビ割れてきた。
A 現状を確認。真下にある蓄暖の輻射熱によって乾燥して少しずつ割れてきたものと思われます。
[リビング]
[真ん中/熱によるヒビ割れ][端っこ/ジョイント部分の浮き]
コークボンドを使って目立たないように補修しました。でも水性アクリル系なので、過乾燥によって隙間が再度目立ってくることもありますが、カウンターの強度には問題ありません。
※ コーキング剤の種類(参考/生田化研社/http://www.k-ikuta.co.jp/handout/adhesive/)
・コークボンド(水性アクリル系)硬化後、弾性体となり、汚染もない。
・ボンドシリコンコーク(シリコーン系)完全耐水性、耐久・耐候性に優れる。
・トップコールSP(ポリサルファイド系)外壁目地に最適。
※ コークボンドの色見本(参考/ヤヨイ楽天市場)(http://item.rakuten.co.jp/moyougaehonpo/jyointoko-ku/)
ホワイト、アイボリー、ベージュ他30種類以上。
Q 子供が壁にキズをつけてしまった。子供がもう少し大きくなった時点で直そうと思ったが、今回の点検で直すのが良いかも・・・。
[LDK]
現状を確認。「巾木の折れ」と「ボードの一部に穴が開いている」状態でした。
3年前の2年目点検の様子。ボードの凹みについては元々危険防止のゲージの突っ張り圧力で少し凹んでいる状態でした。その後に何かの強い力が加えられたのかもしれません。
[2年目点検]
壁クロスの穴(破れた部分)を埋めるには同じ柄のクロスが必要となります。クロスの周期は1年~2年と短く、新築から5年経過した今、当時の同等品があるかどうかは現段階では不明でした。お客様との協議の結果、違う色柄でも良いとのこととなりましたが・・・。
協議を重ねるにつれて、最終的には別の部分のクロスを傷口に移植して、剥がされる箇所には新たに黒っぽい柄のクロスを貼ることに決まりました。