Q 開き戸を自分なりに調整してみた。
A 現状を確認。扉の傾きや奥行き等を補正する場合、丁番の固定ビスをいったん緩めてから扉を動かせる可動ビスを回すことになります。
[LDKと洗面脱衣室の間]
このように真ん中の固定ビスを緩めた後、左右のビスを回して扉を前後、左右に動かします。
開き戸を閉めた時にガタツキ(前後に少し動く)がある場合、ラッチ受け金具を補正する箇所「どの部分を触るのか」を見て頂き、今後のお客様DIYに備えています。
弊社・中田工務店の訪問検査(定期点検)は楽しい雰囲気です。「検査」と聞くと仰々しく感じることもありますが、お客様宅の現状検査と対処、将来的に起こり得る現象の説明となっています。
定期点検では恒例となっていますが、最後の「本日の点検結果のお客様への報告」です。木造住宅の場合は気候や天候、お家の立地条件(周辺環境)、室内の冷暖房器具等によって起こり得る現象がお客様宅によって異なってきます。善処していますが、限界も出てきます。どの時点でお客様のご理解を頂けるのかは難しさもあります。
今回のクロスの膨らみ現象。カッターで壁クロスに切れ込みを入れてコークボンドを充填する方法となりましたが、クロスの柄や色、厚み等によっては補修跡が逆に目立ってしまう場合もあります。
思えば・・約10年前、「他社はすでに定期点検を実施している?」と、家の点検が当たり前のように言われ始めた頃でした。弊社の場合は「どんなふうに点検するん?」「お客様から何を言われるんだろう・・」と、今思うと笑い話かもしれませんね。
Q クロスがヒビ割れしている。
A 現状を確認。下地ボードのジョイントになっている部分のクロスに変化が起こっている状態です。構造的な異常ではないのですが、湿度変化等で木部が伸縮することで下地ボードが少し動き、上に貼ってあるクロスが追随できずにヒビ割れしてしまう現象となります。
[2階居室/北側・東方向]
対処法としてコークボンドを充填して目立たないようにするしかないことを説明し、理解して頂きました。この場所は営業の永原がコークボンドを直接充填、コークボンドを指先に取ってヒビ割れ箇所に塗り込み補修することになりました。
一方、工事の砂田は別の場所をコークボンド補修しています。
[階段口]
[1階トイレ・開き戸] [道具類]
現状を確認。整髪剤や化粧水等の薬品による変色が考えられたのですが、お客様にお聞きしても心当たりは無いとのことでした。
床下からの斑点(手でなぞるとブツブツしている)や床上からの圧力?荷重?によってシミのような跡ができていました。
次に洗面化粧台からの水漏れ・排水管からの逆流の有無を検査。下の扉を開けて配管周囲にある小物をずらしました。
懐中電灯を照らして内部を検査すると、床下から出ている受け用の排水管の周囲が濡れているのを発見。給水管からの水漏れが考えられました。
給水管(右側は水)の周囲が濡れている状態。バルブを締めたのですが、僅かな水漏れは止まりませんでした。漏水によって床下のコンパネが濡れて上に貼ってあるクッションフロアを裏の生地から変化させたものと思われます。
今回は道具箱を持参していなかったのですが、急遽お客様からお借りして、銅管から漏れていた箇所を増し締めして応急処置(仮復旧)しました。
最後に水道水を出して給水管(水)の銅管部分からの水漏れが無いことを確認。給水管からの水漏れ現象には幾つかの原因はあるようなのですが、今回は弊社負担で洗面化粧台のコンパネや床下、クッションフロアの取替えをすることになりました。
今回の現象は引渡し当初(5年前)からの水漏れなのかどうか分かりませんが、2年目点検の床下検査では特に異常はありませんでした。何らかの原因によって数年前(2年目点検以降)からクッションフロアに徐々に現れてきたものと思われます。今回のことがあって、以降の点検からは洗面化粧台やキッチンの給水管からの水漏れ検査を徹底することになりました。起こり得る現象を知ることで早期発見が大事と実感させられた事例です。
ブラインドウを上げてサッシの状態を検査。窓枠の木部が結露によって少し変色しているのを発見。この部屋では洗濯物を乾かしておられるご様子でした。洗濯物が乾くことで室内の水蒸気量が増加(湿度が上がる)し、室温が下がる(露点)ことでサッシ枠に結露が発生することがありますが、日常的にブラインドウを閉じているせいか、拭き掃除に気が廻りにくい場所かもしれません。
[和室/西側]
除湿機は点けておられますが、洗濯物の量や除湿機の性能等のアンバランスによって一般的なご家庭でも起こり得る現象だと思われます。お客様宅には洗濯物を干せるバルコニー(北側)はありますが、北向きで乾きにくくもあり、季節柄乾きにくい時期でもあり、また、団地内の道路に面しているのでなかなか干せない・干したくないとのことでした。