2階のトイレをほとんど使っていないお客様は、便座の電源を切って、一週間に2~3回は水を流しておられるご様子。
「水を流す」行為については、溜まっている水が蒸発して水量が減ることで異臭が発生するのを防ぐ役割があります。トイレの水を流すことで水が一定の位置まで補充される仕組みの応用ですね。
基礎の表面に施してある化粧モルタルにヒビ割れを発見。季節の気温変化で一般的に起こり得る現象です。構造への影響は全くありませんので、お客様へは様子を見て頂くことになりました。
また、基礎本体はワイヤーメッシュというコンクリートの割れを防止する鉄筋の格子が入っている施工です。コンクリートは気温により、膨張や伸縮します。圧縮には強く、引っ張りには弱い性質がありますが、鉄筋が入る事で双方の弱点を補っている形となっています。
(参考/2008年4月18日富山市H邸1年目点検、ひび割れ)
(参考/2008年8月25日富山市I邸2年目点検、モルタルのヒビ)
土間コンクリートにヒビ割れを確認。これも化粧モルタルと同様の現象です。
コンクリートは水とセメントを混ぜ合わせたもの。打設後、次第に水分が抜けていくことで、強度が増すようです。ただ、均一に水分が抜けるわけではなく、弱い部分(角)は割れやすくなってしまいます。
「コンクリートは割れるもの」という業界ならでは、の常識、宿命というものがあるそうで、割れても目立たないようにする工夫として、誘発目地をいれる施工もあります。
サイディングの模様や色(仕様)によってか、ベンドキャップからの雨垂れは目立っていませんでした。
サイディングのジョイント部分のコーキングが凹んでいました。これは外壁の下地材が季節等の湿度変化により伸縮することで起こる現象です。このコーキングはジョイント部分から雨水が浸入するのを防いでくれる役割があります。
コーキングには弾力性がありますが、日差しが強く当たる南側や西側では紫外線の影響で劣化(硬化等)という経年変化が他の面よりも速くなる傾向にあります。
外壁の内側には防水シートが施されていますので、コーキングが劣化したからといって、すぐに雨水が入る心配はありません。
今回は1年目点検。まだまだ先のお話です。目安として、弊社の5年目や10年目点検の機会にご相談頂ければ、「現状を見て、今後を想定して」の判断になると思います。
(参考/2008年10月21日砺波市N邸5年目点検、外壁のヒビ割れ)
冬場は、洗濯物の室内干しをされているご様子。蓄暖をつけると過乾燥になる傾向が強いのですが、洗濯物が干せることで室内の水蒸気量が増加し、湿度が上がります(健康に良いかもしれません・笑)
蓄暖をつけている時間帯は、常に室内が暖まっていることで、湿度が低めに推移します。就寝後、室内温度が低下。お家の気密性が高く、自然換気が難しい為、室内の水蒸気量が一定の場合、気温が下がるにつれて湿度が上がっていきます。そして、朝方の一番気温が低下する時にカーテンとサッシとの間の室温が露点(結露の発生)に近くなっていると思われます。
(参考/2008年12月6日富山市S邸1年目点検、結露)
部屋の片隅には石油ファンヒーターがつけてありました。結露する事を除いては部分的な暖房、手軽さが良いと思われます。
お家については、「やっぱり魅力的ではないと!」や「電気代等のランニングコストを考えたい!」、「自然素材を使って、健康的な環境で暮らしたい!」、「とにかく低予算で抑えたい!」等々、様々な思いがあると思います。
現在の住宅市場では、お客様のご希望・ご要望と会社側の提案をマッチさせる傾向にあります。
住まわれて1年目のアンケートでは、「ここがステキ!知人から褒められる」や「提案された間取りが良くって便利」、「もう少し、部屋を広く取れば良かった」、「ずっときれいなままでいたいから、こんな工夫をしている」、「住み始めて最初の頃は、子供が床や壁等を傷つけるかと神経質であったが、今になると諦めの境地」等々、様々な感想がありますね。
では、お家のメンテナンスの立場で考えると・・・少し変わってくるかもしれません。
住み始めて2年目以降、毎月気になるのは水道光熱費で、去年の同じ時期とを比較しますよね。
これはお財布のお話。
(参考/2008年8月28日富山市K邸2年目点検、調理器具)
太陽の紫外線や季節の温度・湿度の変化、風雨、立地等の外的要因では、外壁のコーキングや屋根材の経年変化、モルタルのヒビ、木部の伸縮、雨垂れ等々、これらを防ぐことはなかなか難しいです。
これが生活スタイル(水蒸気の発生)等の内的要因では、結露や床鳴り、クロスの変化、ドアの開閉等々、仕組み等が分かっていれば、その場や今後の対処方法、未然の注意等で改善できると思います。
でも、お掃除とメンテナンスはちょっと違うので、なかなか好きではない限り、難しくもあります。
全てに共通しているのは「変かな?気付いた時、発見した時」という、お客様の使い勝手や使用頻度等で、住まわれているお客様にしか分からない「現象への早期対処が有効」という事、そして、「起こり得る事例を知っている事」が大事ですね。
この「住まいの管理手帳」。建築業界に携わっている者でも知らなかった事例が多く掲載されていますが、スタッフの経験的知識のほうが優っている場合も多々あります。
また、お客様が独自に調べられて工夫されて、スタッフが勉強させられることもしばし。
これからの定期点検。もっともっと勉強が必要なんだな、と今後の点検現場が楽しみになりました。
Q サッシが取り外せることは知っていますか?
A はい。知ってます(笑)
このサッシ(商品名/インテグリティ)は木製で複層(ペア)ガラスの中にアルゴンガス(※2)が封入されている仕様です。断熱性は複合ガラスと比較すると約40%向上(※3)しているようですね。
※2 アルゴンガスは無害の不燃性ガスです。
※3 一般的な複合ガラスは2枚の板ガラスの間に乾燥空気が封入されている仕様ですが、アルゴンガスの場合は空気に比べて熱伝導率が小さく、更に高性能となります。
(参考/飯島電子工業㈱http://www.iijima-e.co.jp/magazine/vol6-seihin.htmより抜粋)
溝のホコリを掃除する時は、掃除機のヘッドの部分を外して吸い取っています。ちょっと掃除しにくいですね(苦笑)
たしかに、奥様がおっしゃられる通りかもしれませんね・・・(汗)